氷山の浮ぶ北海道のさいはて

いつぞやのダークツーリズムで行った高知の図書館で、その事件に関して高知県警の刑事が書いた本(昭和31年刊行)では、犯人をはるか遠くの北海道は紋別で逮捕したときの様子を、以下のように述べている。

曰く、

待ちかねた吉報に高知県の捜査本部は、湧立った。
喜こびの長距離専用電話は、熱帯植物の榕樹林さえある南国高知の捜査本部と、氷山の浮ぶ北海道のさいはて、北見方面隊本部を結んで、犯人護送の打合せが行われる。

この後の記述を読むだけでも、昭和31年当時の交通の樣子がありありと分かる。

  • S31.4.24 道警北見方面本部で取り調べ、22:00北見発の列車で札幌え。
  • S31.4.25 早朝、札幌駅に到着。11:11千歳飛行場発の臨時便で15:36羽田に到着。 22:30東京駅発の急行「瀬戸」で宇野を目指す。

当時の北見発の列車はC58が索引していたであろうか。
また、千歳から羽田の飛行機はDC-3であっただろうか。

ともかくも今日の旅の起点は、高知にいた筆者が「氷山の浮ぶ北海道のさいはて」と形容した紋別となる。

今日からもんべつ流氷まつりとなる。
11日は平野ノラも来るという。バブルの頃は名寄本線も走っていただろうからキハ22で来て欲しいところ。

紋別ターミナル前のホテルで投宿し、朝食バイキングをたらふく食べたら行動開始。

紋別駅の跡地の広場には、チコちゃんの雪像も作られている。
これまでの人生をボーッと生きつづけてきた自分など、チコちゃんに怒られるどころか殺されそうである。
決死モデル:チームWB嵐山

ところで、札幌雪まつりでも思ったのだが、作りたい雪像が他の団体とかぶってたらどうするんだろう?
いくらチコちゃんが流行ってるといってまさかチコちゃんが何体も並ぶという事態になったら目も当てられない。
そういう時は主催者が調整するのだろうか。

さて、流氷まつりの会場であるガリンコ号ターミナルまでは、北紋バスがガリヤ号というシャトルバスを運行しており200円で乗れる。

このバスは、紋別ターミナルから市内各ホテルを回って客を拾い、郊外にあるガリンコ号のりばに行くのである。
それで経路がけっこうジグザグしている。

途中、港湾池帯にも寄るが、水産加工場が多く建っている様子はさながら工業団地の面持ちすら感じる。

そして向こうにオホーツクタワーや氷の熊本城が見えてきた。

流氷まつりの目玉は、氷でできた熊本城であろう。
遠軽に駐屯する第25普通科連隊によるものであるという。
決死モデル:チームWBノノナナ

テーマは「復興」。
去年は北海道も胆振東部地震で北電の送電線の中枢が破壊され、全道的な停電となる事態ともなった。

いっそ胆振東部の復興の象徴を・・・ と思ったが、そういうのは何も無い気がする。
では東日本大震災でそういうのは? こんにちワン?ありがとうさぎ?

さて、流氷まつりと言うからには流氷に来てもらわないと困る。
昨日みたいな薄氷でもかまわないのでとにかく本祭の主人公はいてほしい。

そう思って岸壁に行くと、かなり厚い蓮の葉氷が港内に押し寄せている。
観測史上最強の寒波が来るというのであれば、流氷にも来て欲しいもの。
とりあえずよかった・・・

昨日ガリンコ号に予約を申し込もうと思ったら、意外に空いていた。むしろ、連休明けの2月12日の方がやたら混んでおりxが連なっていたのは、あれはやはり春節期間によるものであろうか。

ともかくも、10:30の出帆まで待ってることにしましょう・・・

さて10:30が近付き、ガリンコ号の乗船が始まる。
切符には、医師・警察官・自衛隊員・海上保安官などは〇を付け名前を書き込むようになっている。
きっと非常時は役立てようということなのだろう。
決死モデル:チームY宇崎

ちなみにこのガリンコ号は2代目であり、初代のガリンコ号は昭和61年に建造され、いわゆるオープンデッキの何とも寒そうな船のようであった。

船内は意外に日本人が多い。まあ流氷まつりということであろう。

シャーベット状の氷をかき分けてガリンコ号は出帆。
氷が多いのは洋上よりもむしろ港内であり、風で押し流れてきたことが見て取れる。

ガラス窓で仕切られた船内は意外と空いており、多くの客が甲板《デッキ》上に出ている。

海の上なので風が強いかと思ったら意外とそうでもない。
決死するには良い日和である。

氷のほとんどない洋上からしばらく沖合にいくと、氷がまた戻り始めた。

1時間で港に戻ると、タンクローリーによる給油が始まっていた。

さて、こちらはもう飛行機で帰るだけ・・・

現在、紋別空港で唯一の便は、紋別を12:55に出発するANA376便となる。
その便にアクセスするバスは紋別ターミナルを12:00に出発し、ガリンコ号のりばを12:17に出発する。
結講余裕のないダイヤのような気もするが、間に合わないとかいうことはないのだろう。
決死モデル:チームR持田

果たして到着し、チェックインすることはできた。
ところで空港の入口には「猪年快楽2019」などとある。
尾張名古屋は城でもつ、オホーツクはチャイナマネーでもつ・・・

中では、猿みたいなゆるキャラが愛矯をふりまいている。あれは「モンベモン」というのだそうな。
さすがに北海道では野生のサルは生息できないだろう。

・・・と、決死に手間どって持田を落としたらポニーテールが壊れてしまった。
第1回ウオーキングの時の小沢といい、最近こういうことが続いている。

こちらも大寒波なら羽田も大雪のようで、欠航が相次いでいるという。

我等がNH376便も羽田からの便がおくれ、30分程度おくれるという。
そればかりではなく、天候次第では名古屋か伊丹に振替着陸ダイバートするというではないか。

出張らしきサラリーマンの集団は「伊丹なら有馬温泉にでも行くか」と至って呑気である。

さて、羽田から飛行機が来てしばらく客室清掃や機体整備を行い、すぐに出発となる。
紋別空港にはボーディングブリッジはなく、タラップでの搭乗となる。

そして粉雪が舞う中、機内の人となる。

そして安全ビデオが・・・
歌舞伎!?

余りにもジャパネスクを主張しまくっている。
まるでシンクロ日本代表並みのあざといジャパネスクぶりである。
ただこれはこれで斬新である。

そういえばベトナム行くときに乗った中国南方航空も機内ビデオは水墨画風だったし、世界的な流れであるとも言う。

果たして、やれ名古屋だ伊丹だと心配されていた帰途であったが、結局は無事に羽田空港に到着することができ、拍子抜けした程である。
決死モデル:トルソーさんラ・バルバ・デ

ともかくもオホーツクで流氷を見る旅行はこれで終了。
あとは溜まってる仕事と格闘するだけ。。。

 

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