人類史における常盤平団地

欠損バーの琴音ちゃんのTOであるカヘヲレさんが我が松戸市マッドシティに来駕されるという。

我が松戸市マッドシティには素晴らしい文物がある。

東京都民は東京タワーには登ったことがないし、大阪市民でも通天閣に昇ったことがある人は相違ないというし、松戸マッド市民である自分も実はこれは見たことがない。
しかし昭和史ヲタとしては行かずばなるまい。

ということで眦を決し松戸マッド市立博物館へ。
決死モデル:チームTアンヌ

アンヌ中の中の人は、著書「隊員服を脱いだ私」の巻末の年表が昭和史となっている。
それでアンヌは昭和史マターがやたら多い。
ダークツーリズムでも昭和郷放火事件では仕事をしてもらった。

松戸マッド市立博物館は、新京成の常盤平と八柱の間にあり、結構歩くことになる。
ちょうど中間点にある千葉県立西部図書館から入る形で、21世紀の森と広場の中へ。
八柱駅か新松戸駅からバスも走っているが、今回は歩いていく。

団地に関する展示は同館でも目玉となっているようで、常設展の案内も、
人類の登場から常盤平団地の誕生まで
と、人類史の中に常盤平団地の誕生を位置付けている。
ファラデーが電気を発見し、グラハム・ベルが電話を発明したように、常盤平団地の誕生は人類史の中に燦然と輝く事績なのだ。

ということで、基本的には順路は一直線で、人類の誕生から旧石器時代、縄文時代・・・と順を追って松戸で出土したものなどについて触れていく形となる。
そして常磐線の開通や電化(昭和11年)、市制(昭和18年)などについて触れ、真打となるのが常盤平団地を再現した展示である。

常盤平団地について、Wikipediaで知りうる限りで軽く説明しておくと、昭和30年代初頭、首都圏は住宅難にあえいでいたところ、大規模な住宅地の造成を、昭和30年に新京成線が開業したばかりの松戸市金ケ作~五香周辺とすることにした。
その土地を、松戸の「松」→常盤の松ということで「常盤平団地」と命名し、昭和34年から入居の募集を開始。昭和36年から造成を開始し、昭和37年に第10次入居募集をもって入居が完了、という流れになっているようである。

正直、外観に関して言えば現在自分が住んでいるところとそう変わりがない気がする。
一説によれば、不平等をなくすためにあえて近代化はしていないという話もある。
そういえば、自分の住んでいる棟は1980年前後の建築であるというが、確かにこの当時と変わってないかも・・・

居間では、畳敷きの上にテーブルとソファーがある。
洋式な生活がもてはやされていた時代だったのだろうか。
今だとむしろ座椅子の方がメジャーのような気がするがどうだろう? でもソファーぐらいあるかな?

また、黒電話も置いてある。
最近ではダイヤル式電話のかけ方を全く分からない若者もいるようである。

テレビでは昭和37年当時の番組をやっており、堀江謙一がヨットで太平洋を単独横断し、サンフランシスコの名誉市民になった等。
ちなみに、昭和37年7月に堀江謙一がヨットで太平洋を横断した時、日本ではヨットによる出国が認められておらず、「密出国」扱いで、新聞にもバッシングされたのだという。
これが称賛の嵐となったのはサンフランシスコ到着後、名誉市民だ何だとアメリカで称賛されてからなのだという。
これは日本人の手のひら返しの例として語り継がれているようであるが、もしこれが遭難でもしたらどうなっただろう。昨今の安田何とかさんみたいに、「自己責任」がどうたらとか更なるバッシングの嵐になっただろうか。

そして台所周辺。
自分もリアルでこの当時の印象は残っている。

食器棚があってパイプの椅子とテーブル・・・ これは実家にこそなかったものの、食堂などではおおむねこのようなスタイルであったことは覚えている。
いつぞや行った花巻のマルカンデパートなど今もってこのような雰囲気である。

そして冷蔵庫、掃除機、ストーブと言った家電製品もまた昔懐かしい雰囲気を残している。
でもあの筒形の掃除機は見たことがないような・・・(若者なのでね)

そして風呂とトイレ。

トイレは洋式で、当時であればさぞモダンなものだったのではないだろうか。
ただ、流し弁などは当時の面影を伝えている。

そして風呂なのだが、これが一番の驚きだった。
団地というモダンな建物であったにもかかわらず、風呂釜は木だったのだ。
さすがにこれは全く見たことがない。
むしろ今風呂釜を木で売ったらそれなりの値段になるのではないか。ぬくもりがあって良さそうな感じはする。苔を生やさないようにするなど保守は大変そうな気がするけど・・・

以上のように、満足裡に松戸マッド市立博物館を後にすることとした。

 

 

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