空の上の地下潜行

日本の空の大動脈である羽田~伊丹便は当然、B787等の大型機が就航していた所、昨今のコロナ禍で、子会社のJ-AIRのエンブラエル190を入れるのだという。
エンブラエルと言うのは基本、伊丹~秋田便や伊丹~出雲便に使うような、そんな機材である。
それが羽田~伊丹に入るというのである。

これはかなりの異常事態である。

4月7日、このニュースに触れて発作的に予約してみたら既に「残り6席」になっていた。
考えることはみんな同じなのだろう。

でも東京でも大阪でも感染者数が増えており、なおかつその東京や大阪から地方にコロナを持って帰って叩かれている昨今、本当に良いのだろうか?
それも、羽田空港の第1ターミナル(JALが入っている方)でも感染者が複数出たというではないか。

予約してからというもの、かなり悩んだ。それこそ抑うつ症状が出るほどに。
そういえば宮脇俊三も、戦時下どうにかして旅行を楽しんでいたというではないか。そしてネット上ではそのことは肯定的に捉えられている。

一応というか決して油断してはいけない。アルコールティッシュを行程中に全て使い切るくらいで丁度いいかもしれない。

あと今回はにしこくんは連れていかない。
公式に迷惑を掛けてはいけないので。

ということで、前日まで悩みに悩んだ朝が来た。
おはヨーグルト!

今朝はコロナ感染者ゼロ県岩手の小岩井乳業の生乳100%ヨーグルト。
決死モデル:チームPみく

朝起きると寒い。それもそうか。布団を押し除けて寝てたんだから。
熱を測ると36.6℃で平熱。
気に病むくらいなら行かなきゃいいのに。
精神的な理由で免疫が下がって発熱するとかあるのかな。

もう夜明けは近づいた。行きましょう。(都井睦雄の遺書風)
おそらくは4月唯一の大旅行でもあるので、心していくことにしよう。
というか東京〜大阪を飛行機で移動すること自体が初めてだ。

新京成の電車内は閑散。
コーナーに座れる。
松戸駅は信じられない程人がいない。

松戸からの羽田空港行バスは京成と新京成の共同運行であるが、10:10発の便は京成車が担当。
決死モデル:チームRスマレ

乗客は自分含め3名。あとの2名は若いカップル。いかにも歌舞伎町とか歩いていそうな感じの。
4月4日に都心を決死した時思ったが、今自分がやっていることはこのような歌舞伎町の若者と何ら変わりない。

その歌舞伎町を歩いていそうなカップルのうち、女の方はやや危機意識が高いようで、「誰が触ったかも分からないような所触っちゃだめ」などと男に注意している。

こちらも検温。
えっ37.5℃!?
どこでこんな熱が!?
一応、匂いとかはある。

湾岸道と併走する京葉線では武蔵野線の府中本町行きが走っていたが、ほぼガラガラでどのコーナーでも取れる感じだった。
例の歌舞伎町カップルは2タミで下車。つまりANA系で行くらしい。

さてこちらは1タミに到着。
噂通りガランとして人がいない。乗務を終えた乗務員がやたら目立つ。

表示板には「欠航」がやたら目立つ。
立ち止まって決死してるだけでも目立つ感じ。

チェックインは機械ではなく人で。マイレージカードも薦められたので入ることにする。というか格安航空券でもマイレージ入れるなんて知らなかたよ。

ちょっと展望デッキに行ってみようか。
6階の展望デッキに出てみると、親子連れと高齢者とマニア。
いずれも家に篭もってストレスをためるよりはとここへ来たのだろう。
少なくともここは「密閉」はされていない。
決死モデル:チームY楼山

第2ターミナル側にはやたら飛行機が並んでいる。
本当なら日本の空を忙しく飛んでいたはずの機找たちだ。

こちら側の出発ゲートに並んでいる飛行機を確認してみると、

・15番ゲート JA602J (B767)
・16番ゲート JA849J (B787)
・18番ゲート JA242J (E90)
・19番ゲート スカイマーク (B737)

周囲の機材に比べてE90のいかに小さいことか。
さて12時近くなったので塔乗しましょう。

保安検査は並ぶこともなくすぐに通過。
18番ゲートには疎らであるが人がいる。
決死モデル:チームWB嵐山

ここから見える範囲での各ゲートの行先と出発時刻は以下の通り。

・17番ゲート JAL557 17:45旭川
・18番ゲート JAL117 12:30伊丹
・19番ゲート SKY717 14:05札幌
・20番ゲート SKY017 15:05福岡
・21番ゲート JAL219 16:30南紀白浜
・22番ゲート JAL579 17:50帯広

まるで地方空港のようである。
決死してたら結構目立つ。
もっとも他にも同じような客はいたが。

12時15分。いよいよ塔乗。
機内はけっこう満員。

客層としてはビジネス3割、行楽3割、マニア3割ときれいにばらけた感じ。
JALの大阪便で欠航になっているものもあるので、それらに乗るはずだった客が今ここにいる感じだろうか。でも結構不要不急っぽい客も多い。
ちなみに自分の隣は「マニア」だろう。

機内のお茶のサービスは紙パック。
ところで体温は37.7℃に上昇している。
まあ不安で体温は上がるとも言うしで。ウソ発見器なんかあればすぐ引っ掛かるクチだろう。
決死モデル:チームTフジアキ

ほどなくして着陸体制に入る。
500km程度の短距離便なんてそういえば乗ったことがない。
さっさと列車で行くような距離である。

伊丹空港に到着。
バゲージターンには奄美便と花巻便。

到着ロビーは売店があるなど、ネットで見るような閑散とした感じはない。
大阪モノレールで行くべきか、バスで行くべきか。
乗り換えが少ないのでバスで行くことにした。
別に渋滞を心配する程の交通量もないだろう。幸か不幸か・・・

バスは9番乗り場で、梅田行きに乗ることにする。
ちなみに10番乗り場がなんば行き、11番乗り場があべの橋行き。
決死モデル:チームWBナギサヤ

体温37.5℃。大分落ち着いてきた。

梅田の乗り場というか降り場はJRバスの所ではなく、新阪急ホテルの下。
梅田の地下街はまあまあ人がいる感じ。閑散という程でもない。
でも普段を知らないからそう思えるのかな。
決死モデル:トルソーさん霧島

御堂筋線はきわめて閑散。コーナーがいくらでも取れる感じ。
さて大阪に来たは良いけど単純往復で帰るというのも余りに芸がなさすぎるので、大阪のどこか見ることにししたい。
ではどこを見る?
人のいなくなった道頓堀? それもべタやなー
いっそ、西成とか飛田見ようか。

そうと決まれば大国町で乗り換えて四つ橋線へ。

四つ橋線は花園町で降りることに。
ここは大阪市交通局のヒゲ文字が残った駅である 。

外に出ると、雨はなお強くなっていた。
三角公園も誰も人がいないので写真も撮りたい放題だ。
まだ桜が咲いていた。
決死モデル:チームR園田

では次は飛田へと歩いて行きましょうかね。
と、スーパー玉出のあたりで上司から電話。
「首相談話で、1課3人しか出るなとなった。だから明日はテレワークでお願い」と。
別にそれはいいけど、大変よね・・・

さて、西成の三角公園と飛田新地はアーケードで繋がっており、雨でも濡れる所が少ないので有り難い。
アーケードとは言ってもだいたい50年は時が止まってるんじゃないかというような古式蒼然としたもので、そしてまたその下を通るおっさん達もまたパワーがありすぎる。
労務者だかホームレスだか分からないような感じのおっさんばかりである。

恐らくはこの商店街が大阪の最底辺にある商店街ではないだろうか。
到底若い女性が1人で来れるような雰囲気ではない。

これに加えて、コロナでほとんどがシャッターを下ろしているのもゴーストタウン感を加速させている。
ただ、規模的にはかなりのもので、札幌の狸小路のような単純な直線ではなく、面的にアーケードが広がっている感じ。

飛田新地はそのアーケード街の東端部を南に外れた所にあった。
例の飛田料亭組合の「厳命」により全店閉まっている。
だからこうして写真も撮りやすいときている。
決死モデル:チームRナオミ

西成のアーケード街が終わると、今度は天王寺のアーケード街につながる。
いかにも南海の天王寺支線が走っていた跡で区切られている。
都合、西成の三角公園の近くから天王寺駅まで、ほぼ濡れずにアーケードの下をこれるということになる。

さて、天王寺まできたらかすうどんと洒落込みたい。
ということで天王寺MIOの加寿屋。
ここでかす特盛を頼む。
決死モデル:トルソーさん丸尾

体温は37.4℃。まあ平熱の範疇と言って良い所まで下がった。

天王寺まで来たのであれば、もう1つ、行きたい店がある。
それは「喫茶パールズ」。
決死モデル:チームTエリー

パールズという店名の店が近鉄あべの橋の駅の前にあるのである。
何というエモい店名であろうか。
そういえばそのパールス戦士であった関根潤三氏が最近亡くなられた。
関根氏に呼ばれたのだろうかとすら思った。

この「パールズ」、前はいかにもな「純喫茶」だったのが、いつのまにかオーガニックコーヒーやら自家製にんじんラペとかいうオサレな店に変貌している。
店内はおばさん達が談笑している。自分も含め、危機感がまだまだ薄いということだろうか。

さて、そろそろ帰ることを考えないといけない。
この「パールズ」に16時半ごろまでいるとして、そこからの新幹線は17時21分発の「のぞみ422号」。
これで八柱には20時半頃に帰れる計算になる。

果たして天王寺から御堂筋線に乗ると本当にガラガラ。
コーナー取り放題。

中津を過ぎると新御堂筋に並行して淀川を渡る。
これこそがドリカムの大阪Loverみたいな光景になる。
やはりその並走風景は絵になるようで、地下鉄新大阪の島式ホームの先端は、その新御堂筋と御堂筋線の並走が見渡せる休憩スペースもある。
決死モデル:トルソーさんメア

そして新幹線の新大阪のホームへ行くが、本当に人がいない!
自粛要請が守られているということなのだろう。
自分のような者以外は。何だか情けなくなってきた。

のぞみ422号の車内も人がいない! 何でこう人がいないの。怖過ぎるよ。
とにかく、最後まで気を抜いたらだめだ。
決死モデル:トルソーさんファラキャ

そして品川に到着。
品川から常磐線の土浦行きに乗るが、松戸までボックスを占有することができた。
それも隣のボックスは空だった。

そんな自粛の週末・・・

 

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