どうやら日本では参議院選挙をやっていないらしい。
このように参議院選挙もやっていない中、例の山田太郎候補は秋葉原に事務所を構えており、結構な人が訪れているというので行ってみようと思う。
山田太郎候補と言えば、一昨年のフィギュアに関するイベント(2017.7.20「社会は如何にしてプラモの金型に彫りこまれた美少女のパンツを見つめてきたか」)で色々話を聞かせてもらった。
ただまあ今回は自民党だしな・・・
自民党なんて「表現の自由」とか認めたがらないイメージはあるけど(自民党憲法草案21条とか)、でもあれか? GHQみたいな3S(Sex、Sports、Screen)政策で下々に娯楽を与えて政権批判をかわすような感じ?
そうであれば山田太郎にうわべだけの「表現の自由」(ただし政権批判は除く)を主張させる意味はあるのかな。
だいたいにして自民党の政策の根本を揺るがすようなことを言う候補を最初から公認したりはしないだろ・・・ いくらオタクが総じて右に寄っていて、その票を取り込む芽があったとしても。
秋葉原の駅に降り立つと、共産党の吉良よし子議員が演説をしており、多くの人を集めている。少なくともこのアキバの地において「野党」だの「パヨク」だの言われて排斥されている感じではない。
(決死モデル:チームWBノノナナ)
ただ、聴衆はオタク率が少なく、年齢層も結構高めであった。まあ共産党がオタク受けや若者受けするキャッチーな政策は持っていないだろう。あるとすれば非正規雇用とか?
個人的には、共産党が嫌いというわけではなく、むしろシンパシーすら持っている。それは、どのような田舎にあってもヨソ者扱いされながらも気を吐いてきた姿が、自分自身に重なるからだ。
今度の選挙では、貧困や年金に関する政策を打ち出しており、健闘が期待されるところである。
というか・・・ 最近は与党がだめすぎる。与党がだらしない。沖縄の民意を踏みにじり、弱肉強食の労働政策や税制を推し進め、アメリカとイランの仲介外交を買って出た割には大したせいかも無く、北方領土を「北方領土」と呼ぶことすら許してもらえなくなり・・・ よくもまあ今もって支持率が高いものだと思う。
別に立憲民主党あたりに政権を取ってほしいとか、そこまでは考えないので、自民党に対して意見が言えるだけの野党の議席数は勝ち取るべきではないかと思う。
権力は独走させてはいけない。「黙ってても悪いようにはしない」なんてことは決してない。
権力者は常に「ダモクレスの剣」の下にいなければならず、批判を甘んじて受け入れなければいけないのだ。そもそもが「表現の自由」とはオタクの大好きなアニメだの、中国人や朝鮮人の悪口だの以上に「政権を自由に批判する権利」のはずである。
野党がだらしないとすれば、意見を聞いてもらえるだけの議席数が勝ち取れなかったからであり、それは結局は国民のせい、ということになる。
ところで、ノノナナの背後のカエルの着ぐるみは何なんだ?
カエル・・・ 社会をカエルとかそういう意味でか?
さて、今回お目当ての山田太郎の事務所は、神田明神の通りにある。
壁には、主たる支持層であるオタクからのイラストが所狭しと貼ってある。
そこえ、事務所の女性が「よろしければ色紙をどうぞ」と勧めてくれた。
「ただ・・・ 自分は山田太郎さんを支持すべきかどうかは悩んでるんですよね。自民党の中でどれだけのことができるか、ということについてもウェブ上でも納得できる説明ではなかったですし・・・」
「そういう意見もいただきます。よろしければ短冊に書いていただけませんか」
「あと、53万票というのはどういう意味ですか?」
「前の選挙で、特定郵便局長会の後押しで52万票という過去最多の得票をもらった徳茂(雅之)さんという議員さんがいるんです。それを越える票数という意味ですね」
「その『票数が多い』ということに立脚して、その郵政族の議員さんは自民党内で何か成し遂げることができたんですか?」
「それはちょっと分かりませんが・・・ ボランティアさんは頑張ってますし、明日から秋葉原で演説も行いますので、そこで聞いてもらえればいいと思いますよ」
たぶん、おそらくはボランティアであろうこの女性に政策面で質問しても、あまり実りのある答えは返って来ないのではないかと思った。
別にそのことが悪いとは思わない。彼女は彼女なりに山田太郎を応援したいと思って、その一念で頑張っているのだろうから。
秋葉原駅に戻ると、吉良さんの握手会が始まり、カメラを抱えた秋葉原のオタク共も握手に走っている。
自分の所にも来て握手してくれないかな・・・ と思ったら、向こうに行ってしまうではないか。何でそんなに冷たいのか?
・・・と思ったらそれもそのはずで、手には山田太郎のビラを握っていたからである。
いやいや、別にこの人を支持するつもりは・・・ と思ったが仕方ないね。