【ブックレビュー】「世界征服」は可能か

仮面ライダーでショッカーは世界征服を企み改造人間を数多送り出してましたね・・・
(↓どこかで拾ってきた画像です。ごめんなさい)

さて、数多くのフィクションに登場する「世界征服を企む組織」であるが、

  • そもそも世界征服を何のためにするのだろう?
  • 何をもって世界征服というのだろう?
  • 世界征服はそれほど素晴らしいものだろうか?

このようなテーマに真っ向から挑む本である。
筆者は「オタキング」岡田斗司夫氏。

本書は、岡田氏が「ふしぎの海のナディア」を企画している最中に、悪の組織・ネアオアトランティスを率いるガーゴイルは何でまた人類を征服しようと思ったんでしょうね?と いう話をスタッフ間でし始めたのが始まりなのだという。

まず、実際の作品に出てくる悪の組織を例に、何が目的で世界征服をしたいのかを、実際の物語作品に出てくる登場組織で分類。
大別して4つのタイプに分類している。

  • 人類の絶滅 ・・・ 死ね死ね団(レインボーマン)
  • お金が欲しい ・・・ ドクロベエ(ヤッターマン)、スペクター(007)
  • 支配されそうだから逆に支配する ・・・ ジオン軍(ガンダム)、大日本帝国
  • 悪を広める ・・・ ピッコロ大魔王(ドラゴンボール)

そうか大日本帝国か・・・
ネトウヨさんが「日本スゴイ」で自慢することの一つに、「日本はアジアで列強の植民地にならなかった数少ない国の一つである」ということである。

ただ、それは、自分自身が植民地を持つ勢いでなければ、欧米の列強の植民地にならざるを得なかったということであろう・・・ というのは、だいたい中学校ぐらいの歴史の勉強でも学んでいるところである。
決死撮影はその大日本帝国の英霊を祀る靖国神社にて。モデルはライダーの話が出てきただけにチームR真夜

また、世界征服を志す人のために「あなたはどのような支配者か」という適性診断もしている。

  • Aタイプ:魔王 「正しい」価値観ですべてを支配したい
  • Bタイプ:独裁者 責任が強く、働き者
  • Cタイプ:王様 自分が大好きで、贅沢が大好き
  • Dタイプ:黒幕 人目に触れず、悪の魅力に溺れたい

AタイプやBタイプは、上司としては有能な上司になりそうな感じである。ただし過労死しかねない程忙しくはなるだろう。
ちなみに、著者はヒトラーについて、Bタイプに位置づけている。

自分自身に関していえば、まぎれもなくCタイプであろう。だからこそTRS48なんて作って喜んでいるのである。
ちなみに、金正日もこのタイプであると著者は位置付けている。やっぱりな。
ただし、大ボスにこの様なタイプは少なく、中ボス程度に多いとしている。

ところで、日本と北朝鮮には国交がないので、日本に北朝鮮の大使館など外国公館はない。
ただし、朝鮮総連がその外国公館の役割を果たしているという面はある。(実際、朝鮮総連は富士見町の本部を外国公館並みに治外法権とさせろと要求していた時期もあるらしい)
それだけに、警備だけはもはや外国公館並みかそれ以上である。
それで、真正面から富士見町の朝鮮総連の建物を撮影することはできず、物陰から撮る程度にとどまった。

Dタイプは・・・ 周囲には結構いるタイプ。正直関わりたくない。自分の事を頭がいいと思っている手合いばかりである。

また、その次の章では、「世界征服のためには何が必要か」について解説している。

  • 部下の管理
  • 人民の価値観を変える敎育
  • 支配者階級の形成
  • ハーレム

実のところ、なぜこの本を読もうと思ったのかと言えば、「ハーレム」は世界征服とどのように関係があるかを知りたかったからである。
で、結局何のためのハーレムなのかというと「支配者である自分の子孫を作るため」…なのだそうな。 やっぱり子孫作らんといかんかね…?
「快楽だけのためにハーレムをやっているのは北朝鮮だけ」と言い切ってしまっている。

以上、諸々の事から、「世界征服は大変だ」「世界征服には旨味がない」と言い切ってしまっている。

また、話は「階級社会というもの」にも及んでいる。日本は社会階層はあっても階級は無いと言っている。
では「階級」とは? それは、イギリスを例にとると上流階級と下層階級では入る飲み屋も、趣味も違うのだという。
上流階級であれば、自分が面白くないと思うようなものでも「面白い」と言わなければならないような不自由さがあるのだという。
たとえば歌舞伎を見て面白いと言えますか? お笑い番組も見せてもらえず、美術館の芸術を見るだけで「趣味」と言えますか? 上流階級である以上、庶民階級と趣味自体が違うのだという。

さすがオタキングだけに、いろいろな本を読み、色々な事に精通しているものだと思った。自分が無駄に遊んでいる間にも、読書を重ねていたに違いない。
Wikipediaでみてみると、小さな頃からIQが高く早熟な子供で、20歳までに17000冊の本があったのだという。

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