すべてを愛おしむように

そういえば今日は御巣鷹山の日航機墜落の日だった。

当時の記憶は鮮明に覚えている。

たしか祖母の家に帰省し、NHK特集を見ていたのだった。
たしか、お婆さんが線路の上を歩いているシーンにニュース速報が流れたような気がする。
「日航123便がレーダーから消える」という内容に、不気味さを感じたのだった。
そうしたところ、そのNHK特集は中止になってしまい、事故の様子を報道する内容に切り替わってしまった。
そして程なくして「群馬県の山中に飛行機が墜落」という内容である。

ああ、この番組だったかな・・・

そんな日に朝から飛行機に乗るのである。
時間は6時15分。

目が覚めたのは意外や意外、4時半頃だった。
我ながらよくこんな時間に起きれたものである。とは言っても日本時間では6時半。まあそんなもんか・・・
でも昨日は現地時間で0時過ぎ、つまり夜2時過ぎに戻って来たのである。
子供連れでこの時間は無いでしょっていう・・・

さて、いよいよこのカントーのドミトリー宿も引き払う時が来た。

かれこれ2日間、このレンタルバイクにもお世話になった。
名残りを慈しむように別れることとする。
決死モデル:チームWB小津麗

・・・とはいえ、ベトナム語しか分からない他の御家族からすると、自分は「なんだかよく分からない日本人」にしか見えなかっただろうか。
もうちょっと、英語でも何でも自分からコミュニケーション取れればよかったな。

あとはタクシーに乗って空港を目指すことにする。
外はまだ暗いが、だんだん夜が白んできた。

さて、いよいよカントー国際空港から戻ることにしましょう。

英語版のWikipediaによれば、カントー国際空港はそもそも1965年つまりベトナム戦争期にアメリカ空軍によって開設されたという。
1969年に軽度の爆撃があり、これが完全に爆撃で使えなくなったのは1972年であったという。
そして1975年のベトナム戦争終結の後、「𡑝飛茶屋(Sân bay Trà Nóc)」としてローカル空港として使用されていたのだという。
これが国際空港に格上げされたのは2008年のこと。ターミナルビルも一新し、面目を新たにすることとなったのである。

さて、旅の思い出を乗せたベトジェットエア488便は6時15分、定時に出発する。
朝早く起きたぶん、飛行機で寝ておきましょう・・・

目覚めた頃には既に着陸態勢に入っていた。

さて、8時20分に到着したということは、頑張れば9:05のハイフォン駅発の列車に乗ってハノイに行くことができるかもしれない。
ただ、実業家さんがどこかに連れて行ってくれるというのであれば、それはありがたくお受けすることにしたいがどうなんだ・・・?

さしあたり、タクシーで実業家さん宅へ。
「お昼ご飯を食べましょう」という。
ああ、一緒にいてくれるのね。

「買い出しに行きましょう。近くの市場は物価が高いので」。
ほう。実業家さんぐらいでもそんなことを気にするか。

買い出しのためにバイクに載せてもらったがヘルメットが足りない。
それであの編み笠をかぶせられた。
これでいいのか? 例のCSDT(交通警察)に見つかったらまたカツアゲされないか?

そして自宅に戻り、妹さんが準備を始める。

実業家さん曰く、「こういう時に男は野菜の葉っぱをむいたり、ニンニクの皮をむいたりします。日本では男性は手伝わないでしょう」
「日本では、台所というのは家の女性のコミュニケーション場としても気のしていたようです。子供の頃、手伝おうとしたら『女の場所に入って来るな!』と言われたことがあります」
「それはあなたが下手だからでしょう。練習してうまくなれば役に立ちますよ」
こういった男女同権に関する意識は、日本よりベトナムの方が高いようである。
決死モデル:トルソーさん丸尾

そんなこんなで、引き続き家族での食事を堪能させてもらうことができた。

後は「ホテルに戻ってはどうですか」と解散することになった。
時間にして14時過ぎ。

さて・・・
この先どうしましょうか、という話。
ハイフォン市内を観光しようにも、何をすればいいのやら、だ。

どうせならハノイの北レスにでも行ってみるか。
ハノイには、2016年に行った所の他に、もう1店舗あったはず。
それと、欲しい本もあるのでハノイの本屋で探すことにしたい。

そうと決まったら話が早い。
でもハイフォン駅からの列車の時間はある・・・?
ハイフォンからは6:10、9:05、15:00、18:40ということで、もう18:40野しかない。

だったらバスは・・・?
調べてみると、何と15分おきに出ている。まるで博多~熊本の高速バスのように。
ではこれで行ってみよう。

バスターミナルは市街地の外れにある「Bến xe Cầu Rào」。
漢越で書けば「𡍣車梂𣓿」とでもなるだろうか。
やたら市街地の外れにあるのだが、高速道路のインターが近いから、ということだろうか。
ここまではタクシーで行くことにする。
決死モデルチームPウメコ

切符売り場で「嘉林(ザーラム)」とだけ言ったら切符を出してくれた。
調べた時は8万ドンだったはずなのだが、ここでは10万ドン取られた。
券面にそう書いてあったのでボッタくりというわけではないだろうが、経済成長してる、ということなんだろうな・・・

さて、バスは16時30分にバスターミナルを発車。
高速道路を乱暴に走る。

そして嘉林(ザーラム)のバスターミナルに到着。
いかにもバオカップ期から使い込んできたというような建物である。
そして多くの乗り場があり、ベトナム各地へのバスが出入りしている。
鉄道の駅なんかよりよほど賑やかである。
決死モデル:チームYジャスミン

さて、ここまで乗ってきたバスは「Xe khách Hải Âu(車客海鴎)」という会社で、言うなれば「かもめバス」と行った所か。

さて、到着すると「タクシー?」だの「バイク?」だのと運ちゃんが群がってきて決死する暇もないが、とりあえずタクシーで忠和通り(Trung Hòa)61番地の北レスを目指してもらうことにする。

・・・が、渋滞がやたらひどい。
なぜハノイ市内の移動だけで1時間強もかからないといけないのか。
それほどひどい渋滞だった。

そしてやっとのことで北レスの前に到着。
嘉林のバスターミナルに到着した頃はまだ明るかったのに、既に日が落ちてしまっていた。
決死モデル:チームY宇崎

ハノイの西の外れの新市街の趣を見せているこの界隈は、韓国街になっておりハングルの店も多い。
こんな所で北朝鮮系の店を出すというのはどんな気持ちなのだろう。

ところで、韓国系の店というのは「~way」という店名が気持ち多いような気がする。
韓国の各駅にあるKorail系のコンビニも「Storyway」だった。
そういう意味では、日本人が付ける日系の店も何か独特の店名の傾向でもあるのだろうか。

さて、店に入りましたと。
店内ではNK-POPが流れている。

メニューが渡されたので、とりあえず・・・
ユッケジャンでも頼んでみるか。
あと、白飯コンギパプも頼んでみると、「それは一緒カチに付いています」というお答え。

ところで、北レスで一番大切なのは夜のショーに決まっている。
接待員同務チョプテウォントンムに「ノレは無いの?」と聞くと「ありませんオプスムニダ」とつれない答え。
そんな「舞台の無い北レス」なんて最近はあるの・・・?
それとも「今日はない」というだけ?

まあとにかく無いというなら仕方ない。
食べたらもう戻りましょ。

時刻は20時を回っていた。
ネットで調べたところでは、Bến xe Yên Nghĩa(𡍣車安義?)というターミナルから21:20発のバスが出るという。

このBến xe Yên Nghĩaというのが曲者で、ハノイの南東にあるはずのハイフォン行きのバスが、逆にこの北レスよりさらに西の外れから出るのだという。

それでタクシーを頼んで行ってもらうことにした。
ところで、このページは正確なのだろうか。
そんな町外れも町外れにあるようなバスターミナルまで行って「もうハイフォン行きはありません」なんてことになったらどうしようか。

さて、このタクシーが走る国道6号線(Quốc lộ sáu 国路𦒹)は、ハノイから北西に行き、第1次インドシナ戦争の激戦地であったことでも有名なディェンビェンフー(奠邊府)などを結ぶが、上にはハノイメトロが建設されていた。これは2号線であり、今年開通予定なのだという。
いかにも日本の技術協力で建設されましたというような橋桁や駅舎であるが、いったいいつ開通するのか・・・

さて、そのイェンギアバスターミナルに到着した。
向こうにはハノイメトロの駅がもう既に建設されて開業を待っている。
この安義駅が2号線の終点になるのだという。
決死モデル:トルソーさんファラキャ

さすがに待合室も寂しく、切符売り場も1つしかやっていない。

「ハイフォン!」
もし「もうハイフォン行きは無いよ」なんて言われたらどうしよう・・・ と思ったが「バスに直接行って!」と言われた。
どうやらやっていなくはないようだ。

果たして、派手に青く光っているバスがそのハイフォン行きだった。
一応どうにか乗ることができた。

・・・と、中で待っていると21時ちょうどに動き出す。
あれ? 21:20発じゃなかったの?

もしネットの情報を信じて21:20にこのバスターミナルに着いていたら、乗り逃がしたのかもしれない。
そう思うと、冷や汗の出る気持ちだった。

それと、Googleマップを追っていると、どうやら経由地も微妙に違う。
上述のネットの検索結果では、市街地に近い良安(ルォンイェン)バスターミナルも経由するということだったので、こちらで待とうかと思っていたが、やはり始発地にして正解だった。

このバスは高速道路は経由しないようで、途中のバス停で丹念に客を乗り降りさせながら行く。
途中のハイズオンなどに対する最終バスでもあるようだった。

結局、到着したのは23:50頃。
ホテルに近い町の中心部の楽龍(ラクロン)バスターミナルであったことが不幸中の幸いであった。

はい後はもう寝ましょ寝ましょ。

 

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