疲労がポン

経産省、文科省と相次いでキャリア官僚が逮捕され薬物禍に揺れる霞が関。

しかし、元々は戦時中に「寝なくても頭がさえる」ために普通に薬局で買えたものである。
そういう意味では、戦時中の「疲労がポン!」のような使い方をしていたのではないか、ということもできなくはないだろう。

「週刊朝日」昭和23年10月23日号に掲載された長谷川町子「似たもの一家」では、何と主人公の伊佐坂先生がヒロポンを常用しているという話が出てくる。

隣の戦災寡婦が用事があって外出する際、隣の伊佐坂家に子供達の世話を頼む。
最初は泣いてぐずっていたが、甚六さんが腹踊りをしたら泣き止んではしゃぎだす。
しかしそのはしゃぎ方が尋常ではない。
何事かと思ったら「誰かヒロポンのふたを開けて飲んだ者がいるようだ
子供達はと言えば東京ブギウギを歌ったり物凄いテンションである。
覚せい剤が違法になるのは、この2年後の昭和26年の覚せい剤取締法の施行以降のこととなる。

ちなみに伊佐坂先生というのはアニメ版「サザエさん」に出てくる伊佐坂先生であり、サザエさんが朝日新聞(連載当初は夕刊フクニチ)に連載していたのに対し、この「似たもの一家」は週刊朝日に昭和24年の1年間だけ連載していたものであり、「サザエさん」の連載に注力するためにこちらは連載を終わったものである。
そういう意味では、伊佐坂先生は「サザエさん」に堂々と出てきても何ら文句を言われる筋合いはないであろう。

その霞が関の文科省・経産省が一堂に見渡すことができるアングルから一枚。
決死モデル:チームTフジアキ

奇しくもフジアキ中の中の人は昭和21年生まれでヒロポンがまだ合法だった頃の生まれとなる。

そして、その奥の8階建てのビルは農林水産省、つまり次官が引きこもりでゲー廃の息子を殺したことで一躍話題をさらった省庁となる。

令和日本のひずみがこの霞が関にも表出しているといえるのではないか。

ところで、千代田線の霞ヶ関駅に行く途中、大同生命ビルに何やら腕のない女性のトルソ像がある。

これは「循環」(勝野眞言まこと)というのだそうで、やはり両腕がないということが普遍的な女性美であるという認識を新たにすることになった。

 

関連するエントリ(とシステム側で自動的に判断したもの)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です