機関誌とジャーナリズムの狭間で

NGT48の暴行問題に関し、3月21日に第三者委員会の調査結果を、当事者であるAKSが発表するという「第三者委員会」というものの中立性を真っ向から覆す前代未聞の記者会見が行われた。

 

その中でも論調が厳しかったのは東スポとデイリーで、事実を書き記すに留めたのはスポニチであった。

昨日、コンビニに寄ったらAKB48新聞があり、1面トップに「AKB48の進む道」という意味深なタイトルだったので、買って読んでみることにした。

そもそもAKB48新聞は日刊スポーツが発行しており、2018年末に無くなるような話があったのだが、なぜか今でも発行され続けている・・・と思ったら、2019年に入り、編集部ごとスポニチに移ったのだという。

表紙は横山由依ゆいはん吉田朱里あかりん
AKB48の総監督をこの4月1日に向井地美音みーおんに禅譲した横山由依ゆいはんと、NMB48の現役メンの吉田朱里あかりんの対談となっている。
ゆいはんはNMB48にもいたことがあるが、AKB48新聞紙上では初対談であるという。

対談としては当たり障りのない内容で・・・というかあまり読んでいないのだが、対談の内容はともかく、NGTの事件もあったり、メジャーなメンバーも続々と卒業する「低成長の時代」を迎えるAKBGで、どうやって人気を維持していくかというのが今後の課題となってくるだろう。

その他の面も、普通にコンサートなど各グループの当たり障りのない内容となっている。

各グループに触れているのに、NGTだけ触れないというわけにもいかないのだろう。

NGTからは、3月2日の本間日陽ひなたんのソロ公演の内容となっている。
ひなたんと山口真帆まほほんの関わりは、チームGのキャプテンと副キャプテンという関係で何回も一緒に写真に写っている。
事件後もまほほん支持を表明しており、ネット上では一応「白メン」と目されている。

一応、中井りかりかひめ荻野由佳おぎゆかにも事務所の力でかテレビの仕事は単発で入っているものの、山口真帆からはフォローを外されており、ネットでは「黒メン」と目されている。ツイッターでの罵詈雑言で済むならまだしも、スポンサーへの突撃や意識的にカメラに写さない事態にまでなっている。
そんなメンを紙面に出したら炎症してAKB新聞の存続自体の問題に関わるのは火を見るより明らかなので、結局触れるわけにはいかなかったのだろう。

編集部の辛い立場がここからも読み取れる。

そして、やはり触れないわけにはいかなかったのだろう。

総選挙中止にも触れているが、かなり気を使った書き方をしている。
ジャーナリズムとしては真相追及をしたい。しかしAKB運営に完全に依存して紙面を作っている位以上、運営の意向を無下にするわけにもいかない。
そんな辛い立場が、この面にはあふれていた。

まず、総選挙中止の原因を、公式の通り「10周年の節目だから」とはいうものの、本当はNGTのこの件が原因であることは、指原のツイートからも想像に難くない、としている。

そして、この原稿の脱稿が3月19日であったようで、第三者委員会の結果を掲載することはできなかったようで、その前提で書かれている。
そして「ネットの書き込みに惑わされないでほしい」と書いている。
山口真帆本人がフォローを外したことをもってあれこれ憶測しているネットを牽制し「冷静になろう」としている。

そして最後に「メディアとして自分たちも気をつけたい」と、最大限運営やファンに気を使った書き方をしている。

おそらく「機関紙」としては、このような書き方が精一杯なのだろう。

ただ、もはやNGT48に浮上の目は無いのではないかと思う。
悪いことをした人間が罰せられないでのうのうと生きている。
そんな理不尽はアイドルファンだって社会生活の至る所で見せられているだろう。そんな現実を忘れて楽しむべきアイドルの応援の場でまでそんな姿を見せられては、「真に社会に受け入れられる」など到底及びもつかないのではないか。

そもそも、暴行犯の被害届を取り下げ、つながりのあるメンバーを不問に付した点でもう終わったのだ。
もはや「解散」以外のソフトランディングなどあり得ない。

あるいは48グループ全体の解散すら視野に入れるしかないのではないか。

 

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