下町の歯医者さん

都電が東京都心を網の目のように走っていた頃、須田町には10個の系統が集中し、地理教育東亰電車唱歌でも 〽乗り換え繁き須田町や~ と歌われていた。

最近のカロメ生活で、ハンガーノックになるかならないかのギリギリのところで生活している(ということになっている)ので、すぐに空腹が訪れる。
それで急遽権米衛に駆け込んでおにぎりを食べてたら、奥歯の銀の詰め物が取れてしまった。そして胃の中に流れ去ってしまった。
これはさすがに歯医者に行かないといけない・・・

もし歯医者に行くのであれば、ここに行こうと思っていた歯医者が、その神田須田町にあった。
やたら古いつくりの、やってるんだかやってないんだか分からないような雰囲気ではあったが、ホームページを見ると、それなりに理念を持ってやっているようだったので、意を決して入ることにした。
決死モデル:チームTアンヌ

ちなみに、アンヌ中の中の人はその著書「隊員服を脱いだ私」の巻末の昭和史年表で、昭和35年の雅樹ちゃん誘拐殺人事件に関し、「犯人の歯科医の所に、私も通っていました」と書いている。何とも不思議な縁である。
また、この神田須田町の歯科に勤務する歯科医師も、やはり例の誘拐犯の大学の後輩なのである。

現在では、建物は登録文化財に指定されている。
そして住居表示が「神田区須田町1丁目~」となっている、昭和22年以前のものである。

ただ、ホームページで見る限りでは、内装はリフォームされているようである。

意を決して入ってみると・・・

受付には誰もいない。
奥で他の患者にドリルをギュイーンとやっている女医さんがこちらに気づく。
「ちょっと待合室で待ってて!」

ああ、ここには医療事務も看護婦も技工士もいないのか。
不安になって一応待つことに。一応問診票は渡された。
そういえば、数年前にやはり同じ神田の某耳鼻科に行った時も似たような感じだった。
ここ数か月誰も客が来てないのではないかと思うような待合室に、赤塚不二夫みたいな訳の分からないような院長がおっとり刀で白衣を着て直接受付に出て診察開始。
そうすると奥から奥さんが白衣も着ずに出てきて看護婦らしいことを始めた。
お、おい、それでいいのか・・・
それ以降、その医者には行っていない。

程なくして、診察室に入れられる。
今度は比較的若い男の歯科医。
「どこが痛いの? あー奥歯ね。アレルギーとかはある?」
こんな調子で診察が続く。

別に患者で混んでいるわけでもなく、医療事務の人もいないので、診察が終わってからは驚くほどのスピードで会計まで済んで、「ではお大事に」と。

ここまでスピーディに済むのであれば、看護婦も医療事務もいないこんなスタイルでもいいかも・・・ と思ってしまった。
東京下町の開業医というのは、八百屋があって魚屋があるような感覚で存在するということなのだろうか。

ただし、「次は麻酔注射しますから覚悟してくださいね」だと。

 

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