かりそめの天国で夢を見る、それでいいじゃないか

東映のスーパー戦隊シリーズはこの3月6日で46作目の「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」となる。
何でも桃太郎がモチーフになっているらしい。

そしてその第1回目は「秘密戦隊ゴレンジャー」であった。

私事になるが、この「秘密戦隊ゴレンジャー」の第1回目の放映開始の日が、ちょうど自分の生まれた日なのだ。

そんな話をぽわんちゃんの店でしていたら、「なら祝ってあげる」という。
それで西日暮里から山手線内回りの車内の人となり、新宿を目指しているのだ。

考えてみれば、かれこれミレニアムの頃、インターネットの草創期。
「義手や義足の女性と仲良くなる」なんてことは、いわば「広末涼子と付き合う」以上に難しいことだと思っていた。

たとえば障害者支援系の掲示板に義手や義足の女性がいたとします。
そうだとして、何の必然性があって自分のようなフェチが仲良くなれるだろう?
別にナンパの才覚があるわけでもない自分は、どこの誰とも知らぬ女性を、指を咥えて見ているしかなかった。
そもそもこの行為自体が気持ち悪い行為じゃないか。
せめてストーカーか何かで警察の御厄介にならないように理性を保つだけで精一杯だった。

そのような憂さを、伝説の欠損系SNS「MOON BASE」で夜な夜な話し合っていたのだ。
まだ「テレホーダイ」で夜23時以降の特定の電話番号への通話は一定料金だった。

ごくたまに実際の障害女性が来ると、その度に盛り上がったのを覚えている。
まだまだ自分も若く「ガチ恋」志向だったのだ。

だからこそ、2012年の乙武さんの「欠損フェチはあり」発言、2015年の欠損バーのオープンはこの上なく画期的な事だったと思う。

そして今や「日常」として欠損女性と接点を持つことができているのだ。
あの「MOON BASE」で孤独を分かち合っていた頃、こんな事は一切考えられなかった。

そして内回りの山手線は新宿に到着する。

新宿駅東口に出ると、奇しくも「ハッピーバースデー」が流れている。
全てが自分を祝福している。

そして歌舞伎町のTOHOシネマズの前へ。
中年と言われる年齢にさしかかってなお、こんなときめきを感じるとは思っていなかった。

とは言いつつ決死撮影は欠かさずする。
決死モデルはゴレンジャー出身のペギー
ゴレンジャーから時空を超えて弊喜び組に拉致スカウトしてきたわけである。

程なくしてぽわんちゃんも来てくれた。
さてどこへ連れて行って頂けるのでしょう…?

果たして、歌舞伎町の高級な焼肉店へ。
高級な… というのか、いかにも歌舞伎町といったキラキラ感。
眼下には歌舞伎町から百人町にかけての街並みが見渡せる。

焼肉は本当に高級だった。
タンにしても「そんな食べ方があるの!?」というスペシャルな感じのもの。
きっとシャンパンが入ったホストや、分不相応なほど若くて綺麗な女性を連れたパパ達が、この高級な焼肉を賞味するのだろう。
そうそう、これこそが新宿だよ。

そして最後、個室が暗くなったと思ったら何とバースデーケーキが出てきた。

その瞬間、中学生の頃「中1コース」で見た大分県の中学生の子 、あの「MOON BASE」での賑やかでありながら孤独だった日々が駆けめぐった。

あの日からもう30年以上の日が流れている。
そして今日、ここで誕生日を祝ってもらっている。

いや、勘違いしてほしくないのは別にぽわんちゃんと◯◯したい、彼女にしたい、結婚したい、じゃないのよ。
そこは一個人の人生なので、それは尊重しなければいけない。
どんなに金があろうが、社会的に地位が高かろうが、人様の人生を自分の思い通りにすることなどできはしない。

この夢のような時間が終われば、自分は千代田線に乗って帰るだけだ。
だから今だけのかりそめの天国。お金を払えば手に入る程度のものでしかないかもしれない。
その辺りの距離感を絶対に守らなければ、この先いつブロックされるか分かったものではない。

そもそも、街中で腕の無いお人形さんを撮影するということも、恋愛やら結婚などとどこかの女性の人生にコミットするに値しない自らの気持ち悪さを心にセットする行為なのだ。

とか言いつつこの夢のような時間が終わっても、未練がましくノコノコとぽわんちゃんの店へ。

ぽわんちゃんの店では、先日のみこちゃんのバースデーイベントで使った「HAPPY BIRTHDAY」の飾りを残してくれていた。

店に来た常務氏も、飲み屋の流儀で祝ってくれた。

ところでぽわんちゃんは、さとう珠緒に憧れているという。
さとう珠緒といえば超力戦隊オーレンジャーのピンクであり、オーピンクなら弊喜び組でも拉致スカウトしている。

ぽわんちゃんに「似てると思う?」と見せてみると、「ほっぺのあたりが似てるかな」という。
そういうもんなのか…

ともあれ、今まで生きてきた中で、これ以上ないほど最高のバースデーであったと思う。

後は例によって、代々木上原経由で千代田線で帰るだけ。

そんな「私的devotee史」。

 

※その後、ぽわんちゃん本人から訂正がありました。

憧れてるのはさとう珠緒ではなく中村玉緒なのだそうです。

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