表現の自由との折り合い・リベラルを僭称する資格

ここ最近、連日Twitterのトレンドに上っているColabo暇空騒動は、これから裁判に持ち込まれるわけだが、暇空サイドの金銭的支援が5千万円に達していると言う。

よくもまぁ…という気もしなくはないが、その暇空自身は以下のように「ナニカグループ」という概念を提唱しており、それはもはや陰謀論じみている。
というか、陰謀論以外の何物でもない。

そして、このような暇空の支持者をQアノンよろしく「暇アノン」と呼ぶようになったようである。

この「暇アノン」、例によっていつもの献血の宇崎ちゃん、温泉むすめ、戸定梨花の時のような「表現の自由」を旗印にフェミニストと戦っている連中がそっくりそのままなっている感じがする。

この時点で、自分は支持しかねるのだ。
要するに「女性が声を上げる」こと自体がお気に召さないだけなんだろ?
「声を上げる女性」を圧殺すること自体に喜びを感じてないか?

(ただ、大田区の議員さんとか徳島県庁の人が出した質問状ではないが「萌え絵に声を上げることでどのようにフェミニズムという女性の地位向上運動に寄与するか」ということを、馬鹿にでも分かりやすく説明する努力はあった方が良かったとは思う)

そもそも「表現の自由」とは何だろう?
第一義的には、政府の権力を検証し批判する自由ではないのか?

ところが彼らはどうだろう。
経済政策や増税などでこれだけ庶民を苦しめ、あまつさえモリカケ問題や桜を見る会でお友達だけ優遇するという自民党政権のあからさまな貴族政治アリストクラシー縁故主義ネポティズムを全く野放しにしている。
それどころか、この現状を追認することを「現実主義」などと言って開き直って冷笑すらしているではないか。

そんな「現実主義」の彼らは、フェミニストが声を上げることをどうしても許せないらしい。

より正確に言えば「フェミニストが漫画の表現に干渉してくること」が許せないらしい。
これに対して「表現の自由」として対抗しているわけだ。

…と、このように自分は「表現の自由戦士」に批判的なわけだが、他ならぬ自分自身が何をやっているかと言えば、このようにお人形さんの両手を○○して、それを「決死撮影」と称し全国いや全世界で撮って歩いてブログに公表しているのである。
それこそ、「女性に声を上げられ」たらひとたまりもないだろう。

これはまさしく「表現の自由」なくしてはできないことだ。
それも、表現の自由戦士がフェミニストに対して主張するところの「表現の自由」だ。
決死撮影にポリティカルコレクトネスなどありはしない。

こんな自分が、現時点で特段の炎上もせず過ごしていられるのは、まさに「表現の自由」があり、下手に干渉すると、そういった観点から凶暴に反撃されることを恐れられているからと言うのはあるだろう。
炎上しないと言うよりは「相手にされてない」「関わりたくない」と思われているような気がする。

誰にでも思想信条の自由はあるとして、そんな自分がリベラルだのポリティカルコレクトネスだのを語る資格があるのかどうかという話である。

ただ…何と言うんだろう。
政治的な話題になったときに「強者の論理」を振り回すようにはなりたくないのだ。
日本の社会が、ひいては人間社会が弱肉強食の荒野であってはいけないと思っているのだ。
まして「日本」という今なお世界第3位の経済大国をバックに中国・韓国をヘイトしてみたり(その割には原爆を落としたアメリカや、北方領土を支配しているロシアにそこまで厳しいということはない)、自民党政権をバックに「悪夢の民主党政権」を殊更に馬鹿にする(その割には自民党政権によってもたらされた非正規雇用の増大による格差社会の進行・実質賃金の低下等を批判しようとはしない、自らの賃上げのために労働組合にでも入ればいいものを野党っぽいと忌避する)という「虎の威を借る狐」のようなセンスは持ちたくない。

ここでまた自分を棚に上げた話に戻すと、表現の自由戦士のオタクどもは、自分たちを「強者」などとは思っていない。
むしろ、学校では、孤立させられ差別されてきた「弱者」の意識の方が強いようだ。
自分も割とそのクチではある。まして宮崎勤の事件の影響もモロに受けた世代でもある。

かといって、フェミニストだけを「権力」とするのは、あまりにも世界が狭すぎないか?
まるで生きる世界がアニメの中だけみたいじゃないか?
自分の好きなアニメさえ守られていれば、他はどうでもいい?

とりあえずリベラルを僭称する資格もない自分と「表現の自由」はどのように折り合うべきなのかを考えてみた。

結論はまだ出そうにない。

ここまでの決死出演は1名(累計8名)。

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