八潮秘宝館に行ってきた

かねて拙ブログで予告していた通り、本日は埼玉県八潮市の「八潮秘宝館」に行こうと思う。

そもそも「八潮秘宝館」とは・・・?
ラブドール撮影界の巨匠SAKITAN氏のツイートを借りればこのような場所である。

果たして松戸駅から八潮行きのバスに乗り「潮止橋南」というバス停で降りる。
川向うはすぐ千葉県であり東京都であるというこのロケーションでありながら田園風景が広がる。

そもそも「京成バスで埼玉を目指す」というのがなかなかふるっているではないか。
こんな気分になるのは、名古屋駅から名古屋市中川区匂里のスーパー銭湯に行くのに三重交通のバスに乗った時以来である。

ところで本日の決死モデルはチームWB野乃ナナ

にしこくん仕事が始まってからというもの、右向きの子にばかり出番が偏重し、左向き勢の出番が激減したきらいがあるので 、今回は左向き勢のエースに御登場願おうということである。

第一、今回の案件はオシャレさんの集うインスタグラムに上げられるような明るく爽やかな世界では決してない。
よって今回にしこくんの登場は無いブーン。

さて、12:00頃に到着した潮止橋南のバス停からはものの10分も歩けば八潮秘宝館である。
写真家・兵頭喜貴氏の御自宅をそのまま秘宝館にしているのである。
本日は「みどりの日」なので、国旗が上がっている。

ところで、本日の自分は14時からは吉祥寺で別件がある。そのためには12:45に古新田中央を発車するバスに乗らないといけない。
もっとも、自分はあくまで欠損畑昭和史畑の人間であり、ラブドールやミリタリーは守備範囲外である。
渋谷の篠山紀信さんの写真展の時など、ものの10分もいたかどうかという程であり、今回の秘宝館もまあ30分もいれば十分だろうと、その時は思っていた。

ドアホンの代わりに、携帯で主である兵頭氏をお呼びする形となる。

入ってすぐの部屋はまるで昭和の頃の病院の頃のような雰囲気で、ホルマリンの匂いの中に、古い診察台や昔の看護婦の制服を着たマネキンが飾っている。
こんなに古い看護婦の制服は、傷痍軍人関係の写真でしかお目にかかったことが無いような代物である。
兵頭氏「そう思うでしょう? 実はこの制服、どこかの赤十字病院の付属の看護学校で2000年代まで使われてたんです」
「2000年代!? ずいぶん最近まで使われてたんですね」
ところで、この写真中央の診察台に鎮座しているサイボーグのような何か、義体クラスタやメカバレクラスタには垂涎ではないだろうか?

「この秘宝館には、別府秘宝館(2011年閉館)からもらってきたものもあるんです」
「温泉地ってだいたい秘宝館ありますよね」
「鬼怒川温泉にもありました。とっくに潰れましたけど」
「かれこれ10年前になりますけど、北海道の定山渓温泉の秘宝館に行ったことがあります」
「定山渓温泉にも秘宝館あるんですか」
「ありましたよ。最近行ったら潰れてて廃墟になってましたけど。こうなると今も現役なのは熱海の秘宝館だけなんですかね・・・」
「あそこはバックがでかいので安泰です。ただ規模が小さいですけどね・・・」

 (註:兵頭氏は定山渓温泉にある北海道秘宝館は御存知で、同館からの展示物もあるという。ただ当方が「定山渓の秘宝館」という言い方としたので、西日本の御出身である兵頭氏に「北海道秘宝館=定山渓温泉」というのが伝わらなかっただけ。やっぱり登別温泉と違って定山渓は全国的にはマイナーかね・・・)

 (ちなみにこの北海道秘宝館の廃墟の前で決死モデルになってもらったのはチームYの城ケ崎。2014年12月撮影)

2階に上がるとやや明るくなる。

これは!大日本国防婦人会と傷痍軍人さん・・・
一挙に我々欠損畑との親和性が高くなった。

ところで、大日本国防婦人会といえば、後世の観点からすると「相互監視」「同調圧力」の象徴として悪名高い存在であるようだが、一方で、白い割烹着と襷さえしていれば、女工でも娼婦でもみな平等ということで、女性の人権向上に一定の役割を果たしたとする見方もあるようである。(Wikipedia調べ)

隣の部屋は一気にミリタリー色が強まる。
北朝鮮の美女軍団・牡丹峰楽団をBGMに各国の軍装を着たマネキンがそこここに転がっている状態。
ソ連海軍の「Балтийский флот」(バルチック艦隊)なんていう水兵帽まである。

「ミリタリーマニアなんですか?」
「いや、自分はミリタリーは全然ダメなんですけど、昭和史に興味があるので」

ところでこのバルチック艦隊の水兵さん、片足が無いので傷痍軍人さん?
「あ、いや、この子の右足が別の方で必要だったんで取ったんです。それだけ」

別の方には編み笠(ノンラー)を被ったベトコンの隣に、第2次世界大戦当時の婦人部隊(後方で会計などを担当)の制服もある。

曰く、「当時の婦人部隊の制服というのは、巨乳向けに作られていたようで、この巨乳のマネキンに着せやすいんです」
こんな国と戦争して勝てるわけはないのである・・・ (ベトナムは勝ったけど)

「ところで、僕が一番気に入ってるのは、このヘッドなんです」

「ラブドール・・・?」
「昔、オッパイからワインが出てくるドールってのがオリエント工業から出たんです」
「確かに新聞か何かで話題になってましたね」
「売れなくて製造中止になったのを、オリエント工業のショールームで出物が出た時に僕が買ったんです」
「お宝を買えるかどうかなんて運ですよね」

ここまで来て12:35になってしまった。
12:45のバスに乗るには、ここに滞在するのはあと5分といったところか・・・?
その5分で何を見る・・・? 予想に反してここは見るもの多いぞ・・・?

また別の部屋にご案内いただいた。
図書室的な場所であるが、「殺人の昭和史(上・中・下巻)」「金日成自伝」「金正日略伝」・・・

ちょっと待て。
5分どころか5時間かかっても見尽くせないぞ!?

吉祥寺の案件も案件で大切である。
「す、済みません。ちょっとこれで失礼します」

かくて、後ろ髪を引かれる思いで秘宝館を後にして、八潮駅行きのコミュニティバスの中の人となったのであった。

今度は、時間のある時にゆっくりと見てみたいものである。

I SHALL RETURN!!!

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