半島の南辺を行く

今日は広州から釜山まで、朝鮮半島の南辺を辿って行くことにしたい。
鉄道旅行ルートとしてはかなりマイナーな部類に入るだろう。

なにぶんにもマイナーなので、列車の本数自体が少なすぎ、ちょうどいいのは何と松汀里駅を6時13分という早さである。
昨日は23時過ぎに到着してこの早さというのは、なんだか体を壊しそうだがまあ仕方が無い。

ということで夜も明けていない松汀里駅。
駅前には韓国の献血のキャラクターがいる。
決死モデル:チームTフジアキ

日本では献血のポスターで巨乳のアニメキャラを起用したせいでセクハラだのセクハラでないのと大騒ぎになっている。

でもどうなんだろう。セクハラで嫌ない思いをしている女性を抑え込んで「これはセクハラではなーい!(キリッ」とか言うようなセンスは持ちたくはない。
例えば、この「巨乳」が「欠損」だったらどうなる? どうせ並み居るオタク共だって今般のセクハラ騒ぎをした女性弁護士と一緒になって「不謹慎!」とか言って抑え込んでくるに違いない。
そういう意味では正直、五十歩百歩という気もしなくはない。

まあ欠損とまでは行かなくても、「ぱんつ」はOK? 「割れ目」はOK? ということになってしまう。
さてどこで線を引きましょうかね、と。

さて、6時13分のムグンファは、アメロコの響きも轟ろに待機している。
疎らな乗客を乗せて定時に出発。

だんだん夜が白んでくる。
朝もやの中を列車は東進する。

「1日3往復」とは言っても、ムグンファというのは日本で言えば急行列車に該当する列車。
普通列車に該当するピドゥルギ号を廃止した後は、そのピドゥルギしか止まらない駅ごと廃止してしまって、「急行ばかりが走る線区」、つまり日本で言えば石勝線の新夕張~新得みたいな状態であるといっても差し支えはない。

世の中には親切な方もおられ、KORAILの日式時刻表を作成してくださっている方がいる。
この方のページを参考に、列車交換で長時間停車しないか調べてみると、どうやら途中の梨陽イヤンという駅で列車交換するようである。

そして、前の駅の時間差などから推測するに、こちらの方が比較的長く(とはいっても2~3分)停車するようである。
となるとシャッターチャンス。
決死モデル:チームY楼山

対向列車が来るタイミングで、車掌が「もう出るから乗って!」とどやしつける。
それで手元が狂ってぶれた写真になってしまった。

さて、次のシャッターチャンスは順天スンチョンですかね・・・

そして8時35分、順天スンチョンに到着。
順天というのは、韓国国鉄では順天地方鉄道庁があったほどの鉄道の要衝であるが、本筋は大田~麗水間であり、慶全線はあくまで傍流に過ぎない。
いわば、盛岡駅で田沢湖線から山田線に乗り換えるようなものである。
決死モデル:チームWBノノナナ

今回の切符は、全部KORAILのeチケットでネット購入しているので、予定の変更も何もお手の物である。
本来は、順天スンチョンを12時台に出る列車に乗ろうと思ったが、9時10分発というのもあるようなのでこれに変更することにした。
そうなると、釜山の釜田プジョン駅には12時台についてしまうことになる。
さあ、その先で何をやるか・・・
それはその時に考えることにしたい。

釜田行きの列車は、やはり疎らな客を乗せて釜田を目指す。
晋州までは1日3往復の区間であるが、その途中の「河東ハドン」という駅で結構な客が乗ってきた。
1日3往復といえど結構利用率は高いようである。

そして昌原からは電化区間となる。
ここからもソウル行きのITXセマウルが増える区間となる。

そして、三浪津サムナンジンで京釜線に合流する。
とは言っても、ソウル行きのセマウルは、渡り線を渡って密陽まで行ってしまうので、この三浪津へ行く本来の慶全線は、釜田~順天の1日3往復の系統だけが使う、ということになる。

その1日3往復だけの区間は、洛東江の大河に並走する。
三浪津の次は院洞ウォンドンという、「韓国の秘境駅」として名高い駅となる。
数年前まで古い駅舎が残っていたというのだが、現在は新しい駅舎になっているらしい。

もし次の列車がすぐに来るというのであれば降りてみたかったが、11時48分に到着したその次は15時台だというので、乗っていることにした。
それでもホームで1枚撮る。
決死モデル:トルソーさん霧島

この「秘境駅」院洞からは、ハイキング帰りの老人がたくさん乗って来た。
日本でも韓国でも、老人はハイキングが好きらしい。

釜山までそれほど無いとはいえ、立ち席が目立ってきた。
こういう場合は席を譲ればいいのだろうか?
しかし指定券を持ってないのは老人だって先刻ご承知だろうし・・・

そんなこんなで、どんどん例の高層アパートが増えてきて、釜山市内に入ったことを否が応でも知ることになる。

そして釜山第2の鉄道ターミナル・釜田駅に到着。
決死モデル:チームP芳香ちゃん

棲み分けとしては、京釜線系統が釜山駅で、それ以外の中央線・慶全線・東海線系統が全て釜田駅、ということになっているようである。
そしてKORAILでは釜山駅~釜田駅の行き来は不可能である。どうせ電鉄化したのであれば、釜山駅乗り入れやればいいのに・・・

さて、12時台に釜田に着いたのであれば、昼食でも・・・ と思ったら、向こうのホームにディーゼルカーが止まっているではないか。
というかあの車輛、まだ残ってたのか。
サボには「釜田⇔東大邱」とある。

どうせなら乗ってみようか。
でもどこまで乗る?
まさか東大邱まで行ってもしょうがないような気もする。
なら慶州まで?
慶州まで行ってしまうと、なら仏国寺も・・・ なんてことになってしまい、休む暇もなくなってしまうので、もう少し前で降りることにしよう。

では次の新海雲台?
しかしあそこは、前回スポンサー付きで来た時に既に来ている。
そして周辺には何もないことが分かり切っている。

では、こ新海雲台の次の機張キチャンという駅にしよう。
機張キチャンまでの乗車時間は27分。
どういう駅かは分からないが、まあディーゼルカーに揺られるにはちょうどいい時間と言えよう。

釜田を出発したディーゼルカーは、釜山市内の駅をどんどん通過していく。
今や、このような市内の駅は30分に1本来る電鉄の電車にお任せになっている。

それで、次に停まる駅は新海雲台ということになり、その次が機張になる。
機張キチャンと言う駅は、一応釜山市内なのだが「機張キチャン郡」という郡部になるようであった。
決死モデル:チームRハナ

1番線から4番線まで、2面4線の駅となっており、外側に東海線の列車が止まる。
そして内側に電鉄線が停まる、という風になっている。
電鉄線は自動改札になっているが、ホーム上にその自動改札がある、という形になっていた。

列車(電車ではなく)が止まるほどの駅なので、一応街並みはそれなりに賑やかである。

13時も回ったので、いい加減昼食にしたい・・・ と思って市街地を歩くと、結構な市場が立っている。
ここは比較的有名な「機張市場」と言うらしくて、かなり活気のある市場であった。
決死モデル:チームWBミサメグ

昼食はと言うと、ポリビビンバ・・・つまり「大麦ビビンバ」。
どこに麦が? と思ったら、麦飯のビビンバということらしい。
この辺りの名物なのだろうか。

戻りの列車は、14時13分のムグンファがあり、その次は14時53分。
何となれば電鉄で戻ってもいいかな・・・ と思ったが、13分の切符が取れたのでこれで釜田に戻ることにする。
来たムグンファは、例のディーゼルカーだった。

という事で釜田へ。
・・・と思ったら、向かいのホームには3両編成+電源車の、いかにも慶全線と思しき編成が停まっている。

そこへ入換用のGMアメロコが来た。
ディーゼルカーと共に、なかなか撮れ高の高い写真が撮れた。
決死モデル:チームR小沢

さて・・・
あとは早起きして多少疲れてもいるので、喫茶店で電源を取りながら、ブログでも付けて休憩していることにしたい。

そう思って釜田駅前のスタバに入ると、店が狭すぎるし混み合っている。
仕方が無いので地下鉄で釜山駅まで出て、釜山駅前のパン屋系喫茶店で電源取りつつ一休み。

暗くなり始めた所で夕食は釜山名物のテジクッパ。
釜山駅前には行列のできている店があったが、さすがに並ぶほどの根性はなかったので隣の店で済ますことにした。

そして、釜山駅の向かいの通りは中華街になっており、この週末は祭典になっているらしく、歩行者天国となり人で賑わっている。
決死モデル:チームWB嵐山

そういえば、韓国と言うのは世界一チャイナタウンが発展しにくい国だと言われていたようだが、現在はそれほどでもないのだろうか。

そしてその中華街の近くの沐浴湯モギョクタンでひと風呂浴びる。
そこの店員の女性は、当たり前のように日本語のできる人だった。
やはり商売上、日本語は大切らしい。

その後コインランドリーへ。
一応、着替えは2日分持って来てはいたが、ソウルの空港から出発する時またひと風呂浴びたくなるかもしれない。その時のために洗濯することにした。
こういう時でもパソコンやスマホに電源を指しながら過ごすことができる。
韓国は日本以上の先進国になってしまったのではないだろうか。

さて、いい時間になったので釜山駅に行くことにしましょう・・・

深夜の釜山駅もなかなかに賑やかである。
22時台でもKTXやSRTがソウルに向けて出発する。

そして自分がこれから乗る、23時発の江陵行きが釜山発の最終ということになる。
決死モデル:チームTヤギー

この江陵行きの最終であるが、金曜日と土曜日にしか運行しない、つまり観光需要を当て込んだ列車なのだが客が意外に多い。
少なくとも座席は満席で、車端部には立ち客までいる。

釜山市内の亀浦クポからはもっと乗って来た。
この夜行列車で、終点まで立っていくということになったら大変なことである。

そう思って乗っていると、密陽や東大邱あたりでごっそり降りて行った。
この列車は、そういった慶尚道方面の最終列車と言う意味合いもあるらしい。

あとは慶北線や嶺東線という複雑なルートを経由して江陵を目指すだけ・・・

 

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