霞ヶ浦線の夢の跡

かつて、成田~佐原~土浦~古河には、一大国鉄バス網が広がっており、それなりの数のバス駅が配置されていた。
(路線図は「国鉄自動車三十年史」(日本国有鉄道自動車局 1961)より)

これらの中で、現在でもJRバスとして残っているのは成田~八日市場、多古台BT~佐原駅、土浦駅~江戸崎ぐらいのものである。
今回は、これらを駆使して成田から土浦まで行ってみることにしたい。

まずは新鎌ヶ谷から北総線に乗ることにする。
当然、印旛日本医大行きではなく成田空港行きのスカイアクセス。
決死モデル:チームY間宮

これまでも、海外旅行に行く時は何度となく乗った路線である。
字幕に出てくる中国語的に言えば「新镰谷」から「千叶新城中心」を経て「成田机场」を目指すのである。

京成新3000系は快調に印旛郡の田園地帯を成田空港へ快走する。
成田湯川に停車し、成田をすっ飛ばして成田空港へ。

そして成田空港に到着。
いつもなら旅の始まりでワクワクするところであるが、ここは到着ロビーである。
決死モデル:チームR真夜

飛行機から降りてきた客は、リムジンバスに乗って関東の各都市へ向かっていく。

観光型の大型車両に交じって、JRバスの八日市場行きは路線型の車輛で申し訳なさそうに来る。

その八日市場行きに乗って、まずは三里塚を目指したい。
三里塚と言えば、成田空港の建設をめぐる闘争で有名になってしまったが、そもそもこの地は開墾地であった。

バスは成田空港の貨物地区を横目に、三里塚へと東進する。

満開の桜の中、三里塚駅に到着する。
決死モデル:チームPペギー

三里塚駅は、つい最近まで駅舎があったようであるが、現在は取り壊されてしまった。

国鉄バスの駅がある以上は、どこかの市町村の中心駅ということになるが、この成田市三里塚は、昭和29年の昭和の大合併まで「下埴生郡遠山村」であった。それで、小学校は「三里塚小学校」だが、中学校は「遠山中学校」なのである。
それにしても「下埴生郡」という郡が千葉県に存在するとは知らなかった。
成田や佐倉は印旛郡、佐原は香取郡、八日市場は匝瑳そうさ郡ということは知っていたが。

さて、三里塚から先は、多古台BT行きに乗ることにしたい。

多古台バスターミナルは、JRバス関東の東関東支店もある運行上の要衝である。
決死モデル:チームRスマレ

ただし、国鉄バスの駅ではなくJRバスになってから久しい2015年に建てられたものである。

それまでは、八日市場がJRバスの拠点であった。

バスターミナルは丘の上にあり、坂道を下ればそこにセブンイレブンがあるので、いったん昼食休憩とすることにする。
多古台BTから先は、栗源線の佐原行きに乗ることにする。

ここまでくると、かなり山がちな地形となり、関東とは思えないほどローカルな風景を行くことになる。

この栗源線の路線名称となった香取郡栗源町は、2006年の「平成の大合併」で佐原市になっている。

それで、国鉄バスの駅もあり、現在でも停留所名は「栗源」であるが、別に町の中心にあるわけでもなく、なおかつ駅舎は廃墟となっており蔦をかぶっており、到底使えたものではない。
現在は、この廃墟の所有者は誰なのだろうか?
まさか今でもJRバス関東?

そして、栗源を過ぎると利根川沿いの平野が開けてくる。

そして佐原駅に到着。
決死モデル:チームTエリー

バス溜まりの表示が国鉄フォントだったり、やたらと佐原はレトロな雰囲気を醸し出しているようである。

伊能忠敬でも有名な佐原は「水郷の小江戸」としても有名であり、昔の町家が現在でも残っているという調子である。

少し佐原の街並みを歩いていると、昔ながらの佐原の町家と、川原の柳の木が雰囲気を出している。

この川は小野川というのだそうで、観光川下りが通過して行っていた。
客は高齢者が多いようである。

さて、こちらは引き続きバスで旅するとしましょう・・・
とは言っても、ここから江戸崎はもうJRバスは走っていない。

しかし、現在は桜東バスという事業者が運行を引き継いでいる。
佐原駅~常陸幸田(茨城県稲敷市)までは1~2時間に1本走っているが、常陸幸田から江戸崎(茨城県稲敷市)までは、1日3往復しか走っていない。稲敷市内の移動よりも、県境を越えた佐原までの交通の方が充実してるなんて・・・ なんかエモくない?

そんなこんなで桜東バスのエアロに乗って江戸崎を目指す。
常陸幸田には、その桜東バスの車庫があるのだという。
車庫があってなおかつ旧国名なんて付いてると、もしかしてそこもバス駅? という気もしたが、どうもそうではないようだった。
事実、常陸幸田は何の変哲もないバスの車庫に過ぎず、駅前情緒も無いような感じだった。

そして江戸崎駅に到着。
今でこそ稲敷市となっているが、平成の大合併の前までは「稲敷郡江戸崎町」だったところの中心地である。
決死モデル:チームY楼山

ただし、江戸崎駅には建屋こそあるが、既に窓口は無くなっており単なる待合室になっている。

JRバスの他には、関東鉄道バスが牛久や龍ヶ崎方面に走っているというが、別の場所からの出発なのだという。
1つの街に別々の会社のターミナルがあるというのもまたエモい。

そして江戸崎駅から土浦へはJRバスがそれなりの本数走っているので、それで土浦を目指すことにする。

高校生の下校時刻で車内は混雑している。
それなりの本数は、通学客で持っているようであった。

そして霞ヶ浦の南畔をバスは土浦を目指す。
途中には、中央競馬で有名な美浦トレーニングセンターもある。中山競馬や附中競馬で活躍する馬は、ここで競走馬として育成される。

そして土浦に到着。
決死モデル:チームWB小津麗

土浦と言えば関東鉄道バスの牙城であるが、JRバスもなかなかどうして気を吐いている。

あとはお土産の干し納豆を買うなどして帰途に就く。

 

関連するエントリ(とシステム側で自動的に判断したもの)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です