貧すれば鈍する時代

最近の「ルフィ事件」で明らかになったのは、強盗事件をやらかすのは ─ ─ 指示役はともかく─ ─ 特別に悪いことをしてきた人間ではなく、それまでごく普通に生きてきて、ある日貧困に陥った時に、魔が刺して強盗しなければならない状況から抜け出せなくなったということである。

そしてまた、世の中全体が貧しくなっているということも無関係ではないだろう。

日本が明確に「発展途上国」だった頃のこと。
何と、結婚式の仲人まで頼まれるほどに人望のあった女性が、花嫁を殺した事件があったというのである。

昭和29年9月1日の長崎新聞に、その時のことが報じられている。
それは長崎市の隣村・長与村で発生した。

長崎市のデパートに勤める23歳の女性は、近く結婚を控えていた。
ただ、気がかりな事があった。
それは、仲人をしてくれるという近所のお茶の行商の女性に2万円貸しているということ。
お茶の仕入れに必要だから、ということであったが、この当時の2万円とは、サラリーマンの1ヶ月の給与に相当する額で、決して安い額ではない。
いつになったら返してくれるんだろう?

8月30日の夜11時、いつものように汽車で長崎から長与駅に帰ると、その仲人のおばさんが待っていた。

「貸したお金ばいつになったら返してくるると?」
「そん事ばってん、少し待ってくれんやろうか」
「元々嫁入りに必要なお金やったじょん、返してくれんば困るとよ!」
「何ば言いようと!」
(以上、長崎弁への変換は恋する方言変換より)

ともあれ、気づいた時には、嫁入りを間近に控えていたうら若い女性は、川の中に血まみれで息絶えていた。

翌8月31日。
長与からいつもデパートに通っているあの女性はどこを探してもいない。
勤めているデパートでも「いつも通り帰ったはずだが?」と言う。

近所を挙げての大捜索網となった。
自分が仲人を務めるはずだった女も素知らぬ顔で、その大捜索網に加わった。

しかし結婚するからには相手がいる。
結婚相手の28歳の男は、
「仲人さん、あなたに2万円貸してたんですってね」
「クァwせdrftgyふじこlp;@:」
「ハァ?」
「あの子を殺したのは私だ!」

すぐに時津警察署に自首することになった。
事件自体は、このように翌日にスピード解決したのである。

このお茶行商の女も、商売の才覚が無かったのだろうか。
借金を重ねているうちに、悪魔に取り憑かれてしまったのである。

今日の後半は、この犯跡をダークツーリズムで辿ることにしたい。

長崎駅に到着したは良いが、改札口にやたら行列ができている。
何事かと思ったら、今日遅れたリレーかもめとかもめの特急券の払い戻しであった。

乃公おれとしては、予定通り旅行してきたので、その対象にはならないかと思ったが、駅員さんが「これは払い戻し対象ですよ。あっちに行ってください」と行列の方向を指差した。
親切な駅員さんである。

結局、2600円払い戻しとなった。

さて、ここから長与に行くことになる。
長与からは、15時12分の普通列車がある。
長崎本線というのは、諫早までの間に、旧線と新線がある。
ハウステンボス方面の快速列車は新線を走るようだが、普通列車は人口の多い旧線の方を走ることになる。

15時12分の普通列車は最近の「長崎の顔」となった。YC1系。
そして、竹松行きだと言うのである。

竹松なんて、よほど地元の人でないと馴染みのない地名であるが、大村の先にあると言う。
つまり、大村方面の需要まで見込んで設定されているわけだ。

車内は、ロングシートに余裕で座れる程度の客の入り。
そして、バリアフリーの時代を見込んでか、トイレが広くとられているのだが、そのトイレの横には椅子が全くない。
ローカル線なんて、ラッシュ時は、高校生でひしめいているが、それ以外の時間はガラガラなので、それでも良いという設計思想なのだろう。

果たして、旧線に入り長与に到着。

長与村は昭和40年に町制しているので「昭和の大合併」の時点ではまだまだ「村」だったのだ。
しかし現在では人口38,000人と「町」にしてはかなり人口が多い方で、住宅やマンションが建ち並ぶ長崎市のベッドタウンとなっている。

そして、決死モデルはウメコだが、長与町の花は梅の花であるという。

さて、あの夜歩いたであろう道を歩いてみる。

ちょうど、駅の近くに昭和物件の床屋がある。
建物の年代的には、事件当時建っていたかもしれないほどの古さだ。
もしかしたら、金を返す返さないで言い合いになっていた女2人を見ていたかもしれない。

事件現場は別の所で川べりなのだが、この昭和物件が気に入ったので、ここで決死することにする。

そこから少し歩けば、当の長与川になる。
当時は芦原だったようだが、現在は護岸工事がなされてすっかり「人家もなかった」頃の面影はない。
長与川に架かる橋も、彼杵半島に通じる道だけに車がたくさん往来している。

さて、あとは宿泊地の長崎に戻ることにしよう。
近くからバスが割と頻繁に出ているようだ。

ということで「榎の鼻」というバス停から新地ターミナル行きの長崎バスに乗ることにする。

バス停の向こうには崖が切り立っており、エディオンなんかがあったりするようだが、あの崖の上こそが北陽台団地で、「文武両道」といって野球で甲子園に出たり、ラグビーで花園にもでた長崎北陽台高校もある。

バスの中では、しばらくいブログ編集をしていることにする。
車内で、前半のエントリーを上げることにする。

そして、長崎の赤迫の電停が近づき、長崎市街地に入ってきた。
そして、出島表門橋で降りる。

出島表門橋のバス停から中島川沿いに歩き、港に出ると、「出島ワーフ」と言う飲食店が連なった一角に出る。

その中島川沿いに、明らかに蒸気機関車の動輪としか思えないものが1組転がっている。
近づいてみると、線路が引いてあり、やはり機関車の動輪だった。
スポーク車輪なのでC55あたりだろうか。

なんでも、昭和の末ごろまでここには長崎港駅があったらしい。
戦前などは、上海への連絡船も出ていたのだと言う。

さて、手近のところで、ブログでもつけながら夕食の時間を待つことにしよう。
それで、テラス席になってるカフェで休むが、長崎港の夕焼けは素晴らしい。

さすがは長崎は、九州でも西の端にあるだけに、春分前でも18時過ぎてもまだ明るい。
そしてだんだん風が冷たくなってきた。

そろそろ夕食にすることにしよう。
ということで、同じ出島ワーフの中にあるマグロ丼専門の店で食べることにする。
長崎は、黒マグロが名産なのだと言う。

値段は多少高いが、なかなか良いマグロ丼だった。

食べ終わったら、ホテルに行くことにする。
長崎駅から、少し山よりにあるホテルだ。

長崎駅前に行くには、出島の電停から路面電車に乗ることもできるが、1.1キロだと言うので、歩いて行くことにしよう。
体を動かす機会は、多いに越した事は無い。

海から風が吹いてくる。
路面電車の通りに出ると、路面電車は勤めから帰る客を満載して走っていく。

途中、長崎駅前のコンビニで夜のつまみを買う。
とは言ってもアルコールは飲まないようにして、野菜系を多く選ぶことにする。

さて、ホテルへ行きましょう。
今回じゃらんで予約したホテルというのは、数日前に予約した中で、唯一10,000円以下だったところである。
それで、長崎駅から少し歩くのは仕方ないと思ってはいたが、いかにも1970年代に建築したような古びたホテルだった。

受付に入ってみると、「全国旅行支援に入っているが、ワクチンの3回証明書がないと割引できない」と言う。
仕方がないので、割引の分の1600円をその場で現金で払う。

鍵、そう、カードキーではない、を受け取って部屋に入ると、トイレはウォシュレットになっている。
これだけでもありがたい。

旅装を解いて、テレビを見る瞬間こそが、旅の至福の瞬間だ。

後は風呂に入って茶でもしばくことにしよう。アルコールは飲まない。つまみもなるべく炭水化物は避けることにした。

そして風呂に入る。
ユニットバスに入ると、垢がどっさり出るので、掃除の人に申し訳ない気がする。
それも昨夜は風呂に入っていないときてやがる。

風呂から上がって、ゆっくりとブログでもつけながらへテレビでも見ている。
普段、乃公おれの部屋にはテレビがないが、テレビのある生活というのも良いものだ。

ところで、これまで決死してきたメンに関しては宿洗いしよう。

テレビを見ると、2月22日の時点で、西九州新幹線の利用者は1,000,000人を超えたのだと言う。

ところで、欠損バーのインスタライブが22時半からだという。
もう眠いので寝たいが、起きているしかない。

待ってる間は、古川ロッパの日記でも写経しつつ。
それと、ブラウザゲームをやることにする。こちらのほうは今週は非常に好調だ。

さて、22時半になった。
しかし、準備ができていないようで、まだ始まらない。

結局、あもりちゃんが来て始まったのは22時50分ごろだった。

あもりちゃんは、遅いバレンタインチョコを詰め合わせながら配信している。
あもりちゃんが作業する姿はなかなかかわいい。

そして、マクドナルドが食べたいようであるが、乃公おれはUberにも出前館にも入っていないので何もできない。

そんなこんなで、何やかやの話をしつつ、時間が過ぎる。

やはりそれは参加者も同じのようで「何時ごろまでやる?」なんて質問をしている。
店長も明日は保護者会があるようで、早々遅くまではやれないようだ。

結局、0時半まで放送した。

さあ、こちらも寝るだけだ。

ここまでの決死出演は5名(累計19名)。

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