還住の島からの還住

ほぼ全国的に、高気圧に覆われている。
伊豆諸島南部は1日中晴れの見込み。
最高気温は23℃であると言う。

6時台にはもう目が覚めてしまった。
それもそのはずで、昨夜は0時になる前に寝てしまっている。

ところで、気になるのは今日「くろしお丸」が運航するかどうかだ。
なんでも7時にアナウンスがあるらしい。

果たして、準備していると、なにやら防災無線でアナウンスがあったような気がする。
でも何て言ったんだ?

常務が来て「運航するみたいですね」と。
やったぜ。
八丈の空港で糞まみれになろうぜ(なりません)。

それはともかく、八丈島からの飛行機の予約だ。
予約自体は簡単に取ることができた。
しめて22,000円。安くは無い。

さて、宿の女将さんは「9時までにはチェックアウトしてほしい」と言う。
そういうことであれば、チェックアウトしてジョウマン牧場でも見ていることにしよう。

それで、しばしレンタカーを走らせてジョウマン牧場へ行くことにする。

ジョウマン牧場は、昨日の夜も言ったが、今度は明るいうちに行くことになる。
昨日の星空とは違って、オーシャンビューの雄大な風景が広がる。
これが、たった5キロ平方メートルの島なのだ。

昨日草を食べていた牛はどこへ行ったのだろうか。

そう思っていたら、コンクリートの建屋から出てきた。
こちらを見ておっかなびっくりしている。
それもそうだろう。まだ仔牛の段階の牛をここで育てているのだから。

さて、次は丸山遊歩道に行ってみることにしよう。
青ヶ島の真ん中のプリンのような山は、登ることができて遊歩道になっているのだと言う。

そしてアップダウンの激しい道を丸山遊歩道へ。
道の途中は、所々湯気を吹き出している。
そして、珍しい木の実が落ちている。

さて、登ってみることにしよう。
ひたすら登ると、土手のような山道が続く。

どうやら頂上らしきところに到着する。
とはいっても、周囲は家外気が茂っているので、何が何だかわからない。
おそらく今来た道の左側が、建設現場なのだろうと言う事位がわかる。

一体全体、先に行けば何があるのかわからないが、とりあえず頂上に来たような気がするので引き返すことにする。

さて、引き返したところで次は9時40分が迫っているので、ヘリポートに行くことにする。
そしてまたアップダウンの激しい山道を車を走らせる。

そして、集落の北西の端っこがヘリポートになる。
ヘリポートの旅客ターミナルは、どうやらこの2年の間で新しくなったようで、もともとのヘリポートには目張りがして廃墟になっている。

警察官も来て、ロープを張って制限区域を設けている。
民宿で一緒だった人もヘリを見に来ていた。
関西弁のこの人もまたどうやら離島マニアのようである。

そのうち、遠くからバタバタとヘリコプターの音が聞こえてきた。
そして着陸。
9人の客を吐き出して、また9人の客を乗せてものの数分程度で八丈島に向かって飛び立っていった。

さて、ではどこに行きましょうかと言う話になり、「神子の浦展望公園」と言うとこにでも行ってみましょうかと言うことになった。

そこは、水平距離としてはすぐなのだが、アップダウンが異様に激しすぎる。
レンタカーはオートマ車なのだが、この運転は辛すぎる。

神子の浦展望公園の眼下には切り立った崖が広がっている。
その下には、何やら海岸らしき風景が広がる。
海水浴をするならギリギリここではないかとは思われるが、ここまで下がる労力は半端ではなさそうだ。

さて、雄大な自然が広がっているとは言っても、所詮は5キロ平方メートル程度の島なので、まだまだ時間が余っている。

もはや、小学校や還住の像を見る位しか見るものがないのではないかと思い、墓地のあたりに車を止めてあたりをフラフラ歩いていると「尾山展望公園」なるものがあるようだ。

この「尾山展望公園」と言うところに登ってみることにした。
当然のことではあるのだが、何分にも山道なので歩きごたえはある。

途中、水道の取水施設がある。
取水施設の各区画には、水位計が設置されておりエモい。
この水道の取水施設も、たった数人で回しているのだそうで、青ヶ島村役場の職員は、マルチタスクで働かないといけないようで、到底自分には務まらないだろう。

それはともかく、ただ消費するだけの観光客たる自分たちは山道を歩いて行く。
ただ、山道は立派だ。おそらくだが、この島の中のどこかしらで公共工事を続けていないと、予算は降りないとかそういったお役所的な事情もあるのだろう。

尾山展望公園に登ったが、こちらの方がなんだか大凸部よりも展望感がある。
あの曲がりくねった池之沢トンネル周りの道路も一望に見渡せる。

そしてまた、その奥には東台所神社がある。
なるほど、昨日大凸部に登ろうとして行けなかった東台所神社はここにあったのか。
ちなみに、東台所神社は「ひがしだいどころじんじゃ」ではなく「とうだいしょじんじゃ」と読むらしい。

そして後は降るだけ。
後は、帰りの船の中で食べる飯を十一屋酒屋で買って港を目指すことにしよう。

結局、八丈島で製造した小さな菓子パンを2つ買っていくことに。
製造期日は11月11日で、消費期限は16日であると言うので、おそらく自分たちと一緒に「くろしお丸」で来たものと思われる。

後はもう、レンタカーで港を目指すだけ。
レンタカーは、港まで乗って行って良いと言う。

そして港に到着したが、少し早かったようで、船の切符売り場はまだやっていない。

暗い中をトイレに行っていると、電気が明るくなり乗船券の受付が始まった。

切符売り場の横には、これまでの青ヶ島の港の歴史が写真で紹介されていたが、昭和30年頃は何の説明もなく、はっきり言って石ころだらけの断崖絶壁の海岸である。
なるほど、このような島であれば何ヶ月も船で渡ることができなかったなどと言うのは理解ができる。

いや、船で着いたとしても、この切り立った外輪山の地形を登ること自体が難儀なのである。
青宝トンネルは1985年、池之沢トンネルは1992年に開通したようであるが、それ以前は曲がりくねった非常に狭い坂道を往復するしかなかったのだ。
考えるだけでも想像を絶する。

さて、船を待つことにしよう。
昨日一緒に飲んだベンチャー企業の社長さんも来ている。
ベンチャー企業の社長さん曰く、「船が出入りするときが村民の交流の場になっている」のだそうだ。

ベンチャー企業の社長をやるような人だけに、コミニケーション能力が高く、いろいろな人に話しかけている。

さて、いよいよ船がやってきた。
出発の時がやってきた。

もはや、船の中でこの二日間の旅の疲れを癒すしかない。
常務も自分も、死んだように寝ている。
充電ができるのはありがたい。

さて、15時が過ぎると携帯のアンテナが立ちだして、八丈島の島影が見えてくる。

そして16時過ぎ、八丈島底土港に到着。
船から八丈富士が見えるアングルで撮ろうとすると逆光になる。
しかし、逆に入江が見える方向で撮ると、八丈島もまた青ヶ島同様に切り立った地形であることがわかる。

もう時間がないので、タクシーでいくことにする。

そう思ってタクシー会社に電話すると「もう時間が遅いのでやってないのよ。赤松さんに頼んで。電話は2局の0311だから」という。
やはり狭い八丈島なので、このあたりは融通が利くのだろう。

ともかくも、そちらに連絡してタクシーに乗る。
しかし青ヶ島に2日もいると、八丈島がやたら都会に思える。
常務も同じように言っている。

ともかくも、熱帯樹が生い茂る道路の先に空港があった。

そして八丈空港でお土産を買う。

土産店では、300mlの青酎も売っている。青ヶ島では決して売っていない量だ。
度の強い焼酎だけに、このサイズを現地で売ってないのは勿体無い気がするのだが・・・
とは言っても、青ヶ島から帰る客は八丈空港をほぼ必ず通るわけで、そこで買えばいいという言い方もできるかもしれない。ましてヘリコプターなら余計な荷物は持てない。

ともかくも保安検査場へ。
弊喜び組のメンを入れた箱を全開させられたのには閉口した。
先般亡くなられた村田兆治のように大暴れしたくなった。

搭乗券はといえば、オンライン予約でQRコードで全て済むので甚だ楽である。
あとはもう搭乗するだけ。

そしてANA1896便は一路羽田を目指す。
機内では「古川ロッパ昭和日記 3戦後編」を読んでいる。
ロッパが戦前の隆盛から落ちぶれ始めた時期で、戦後の混乱もあり余裕の無くなっている時期となっている。

そして飛行機は10分ほど早く羽田に到着。
羽田ではタラップでの降機だった。八丈島便だからだろうか。

そして19時のバスを常務に取ってもらっていたが、18時45分に乗れそう。
結果、大丈夫だった。
ということで、一路新宿駅西口へ。

途中、事故渋滞があったとかで経路が変わったが、どうにか19時30分頃に新宿駅西口に到着。

バスを降りて一声「ここで信号待ってる人たち、青ヶ島村の人口の何倍なんでしょうね!?」
考えてみれば、青ヶ島村だって東京都なのである。

それはともかく、常務はゴールデン街によるという。
こちらは夕食がまだなので、「華火」で夕食。

ほどなくして、ぽわんちゃんの店も開店したようなので、行ってみることにする。

ドアを開けてそうそう、犬の鳴き声がけたたましく聞こえる。
いつもけたたましく鳴くのは、チーズちゃんの方だ。

最初は自分1人だったが、そのうちに常連客がどんどんやってくる。
みんなでヘムヘムとチーズを抱きながら、誕生日を祝うことにする。

今日で3回目の誕生日を迎えたヘムヘム君は、体重が4キロぐらいあって獣医から「太り過ぎ」と言われたのだと言う。
チーズちゃんの方は、ペロペロ魔で、鼻の穴まででペロペロしてくる。

そのうち、常務もやってきて青ヶ島の感動を分かち合う。

しかし、22時半になったのでタイムアップ。
千葉の山奥に帰ることにする。

例によって新宿から小田急で代々木上原まで行き、千代田線経由で帰ることに。

久しぶりに帰宅したのは、0時を過ぎてからだった。
もう風呂に入る体力は無い。明日入ろう。

今日の決死出演は9名(累計22名)。

 

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