今の香港は反中デモに加えて、コロナウイルスで大騒ぎである。
武漢以外にも、深圳や上海で患者が出たという。
そんな時に深圳河の向こうに行くというのは、はっきり言って自殺行為ではないか?
それでも香港まで来てしまった以上、高速鉄道に乗ってみたいではないか。
ということで、銅鑼湾からどうやれば最も歩数が少なく西九龍駅にたどり着くのか、思案したあげく中環駅から東涌線に乗り換え、九龍駅で降りることにした。
中環駅に隣接する(とはいってもかなり歩かされる。京葉線の東京駅レベル)香港駅からは、同じ方向に機場快線と東涌線が出ているが、機場快線に乗ってしまうと、九龍駅で降りることができなくなってしまう。
それで、東涌線を選んで乗らないといけない。
香港駅を出発してすぐが九龍駅になる。
九龍駅の位置は、西九龍駅のさらに西となる。
その九龍駅から、例によって長い距離を歩いて西九龍駅へ。
そしてまた改札口から離港の手続きをして、「香港西九龍」の入国スタンプを押されたパスポートを手に、長いエレベーターを降りて高速鉄道のホームへ。
(決死モデル:チームR天美)
CR400形「復興」号は広州南を目指す。
まるで日本の新幹線のような車両である。
もちろん、中国本土入りに際してはマスクとSIMカードは忘れてはいない。
しかし、そのSIMカードは、香港の領域内で使用開始の自動電話をしないといけないのだという。
そのことに気づいたのは、深圳に入ってからであった。
これじゃ意味ない・・・
つまりは、ネット環境の全くないまま、広州での数時間を過ごさなければいけないということになる。
それと、決死モデルは天美なのだが、成田空港事件の時同様、にしこくんを床下に紛失するところだった。
天美はよほどにしこくん仕事が嫌いなのか。
そしてだんだんと建物や工場が何もない荒れ地にどんどん建設されて中国の発展している様子は分かるが一応1,400万人人口がいるんでしょ? とも思えないような所に広州南駅はある。
(決死モデル:チームWBナギサヤ)
佇まいは鉄道駅というよりは空港のそれである。
これは、港珠澳大橋の口岸でも感じた。
さて、大陸中国に来たからには中国元に両替しないといけない。
しかし大陸中国はVISAデビットとやたら相性が悪い。
前にモンゴルに行く途中に北京に降り立った時も全然受け付けてくれなかった。
ダメ元で広発銀行のATMにカードを差し込んでみると、何とOKだった。
ありがとう広発銀行。
そして券売機で羊城通という交通カードを50元で買い求め地下鉄に乗る。
しかし50元ちょうど無いと自販機で買えないとはどういうことだ? というか日本のサービス品質に慣れすぎ?
ともかくも地下鉄に乗りましょう。
広州の地下鉄に乗って感心させられたのは、オッサンでも当たり前のように老人や妊婦に席を譲ることである。
衰退途上国の日本では意外に考えられない。
そして、当たり前のようにホームドアが付いている。
もっともこれは、つい最近できたばかりだから、ということもあるかもしれない。
とはいえ、韓国の地下鉄も最近は全部の駅にホームドアが付いてるし・・・
日本は撮り鉄が多いことも影響してるのか?
それはともかく広州火車站で乗り換え、次の駅が小北駅となる。
ここは東アジア最大の黒人街と言われる。また、ハラールショップも多い。
(決死モデル:チームWBノノナナ)
視界内だけでも結構な黒人が通っていく。
何だってまたこの小北に黒人が多いのか。
そのあたりの答えが「東洋経済」に記事として出ていた。
最近、アフリカに関してよく聞くこととして「中国が色々な所で開発している」ということがある。
逆に、中国もアフリカの国々の人々へのビザ発給要件を緩和したのだという。
それで、日本や欧米には入れなくても中国なら入れる、という素地ができたのだという。
この小北で、蘭州牛肉面を食べることにした。
ハラールショップの多い小北らしいチョイスということで。
それと、全家便利店に入ると、例の入店音が鳴ったが半オクターブぐらい高かった。
店内ではJ-POPが流れ、羊城通をチャージしてくれるのもありがたかった。
ポケットの中の小銭を滅ぼしたかったので、24元ちょうどで買えるものを何か探し、結局飲むヨーグルトを2つ買うことにした。
あとはもう地下鉄で南站に戻るだけ。
しかし広州というのは本当に広くて、ターミナル駅がかなり遠い所にあるのである。
何というか、東京で言えば新幹線のターミナル駅が西馬込とか西高島平とか北綾瀬とかそんなところにある感覚ではないだろうか。
南駅に戻り、構内に入るとものすごい人出である。
これが中国の春節というやつなのだ。
日本有漫展 中国有春運(日本にコミケあり 中国に春節期の輸送あり)とでもいうべきか。
(決死モデル:チームRハナ)
しかしゆっくり座って待つところがない。
それと、今回乗る珠海行きの列車はどのホームから出るのかさっぱりわからない。
切符には24番線と書いているが、どうやら26番線から出るらしい。
それと、今の中国は切符の代わりに身分証に情報を入れて、それを切符代わりにするらしい。
日本で言えばマイナンバーカードで改札を通るようなものである。
人権というものがよく理解されていない大陸中国ならともかく、日本のマイナンバーカードも行く先はこうなって行くのではないか。
いつどこで電車に乗ったとか、そういうことが国家に把握されるわけである。
・・・それはともかく、出発時間が近づいたのでホームに出ることにしましょう。
広州南から珠海の116kmを走るのは「和諧号」であり、リクライニングしない簡素なシートに電源付きの座席と、まるで京急ウィング号とか京阪特急のような料金不要特急の佇まいのある列車である。
「和諧号」はものの1時間程度で珠海に到着した。
(決死モデル:チームTレナ)
あとは歩いて澳門に渡るだけ。
口岸の建物はすぐ隣にある。
・・・と、麦当労の看板に「軽軌站2楼」と書いているではないか。
珠海にも澳門みたいなライトレールがあるということ?
それならば乗ってみたい。
その「軽軌站」というのはどこにあるのか。
色々な所を探してみたが、それらしきものは全くない。
警察官や駐車場管理人に聞いてみると「この駅だよ」と高速鉄道の駅を指さすだけ。
まさか・・・ 中国国鉄の駅を「軽軌站」などと呼ぶものだろうか?
珠海駅の裏にまで行って探してみたが、やはりそれらしきものは無かった。
日も暮れかけているので諦めて、澳門に渡ることにする。
で、口岸なのだが中国人民は例の二代身分証で自動ゲートを通ることができる。
問題は外国人で、やたら長い列を並ばされる。
頭に来たので行列で写真を撮ってやった。
良い子は真似してはいけません。
ともかくも、出境手続きをして澳門の関閘に来た時には、既に日が暮れかけていた。
ところで、澳門のこの関閘周辺にはやたら薬屋が多い。
何でここまで薬屋しかない!?!?
それはともかく、夕食を食べてしまいたい。
外港桟橋から香港空港に行くフェリーは19:45発だというので、まあ間に合うだろう。たぶん。
しかしこの関閘周辺は薬屋ばかりで、本当に飲食店がない。
澳門に来たのであれば、アフリカチキンの一つも食べてインスタ映えしたいところだろう。
しかしそれすらないときてる。
結局、地元民しか利用しないような庶民的な感じの所で猪扒飯を食べるしかなかった。
まあ何というか、観光客は食べないだろうな・・・ みたいな感じの。
さて、あとは桟橋へ行くだけ。
で、どのバスに乗ればいい?
どうやら3番のバスがその桟橋に行くようである。
ちょうど出発しそうだったので乗ることにした。
しかし、澳門半島の東側にある桟橋の逆方向に行っているようである。
これはどういうこと?
どうやら、この3番のバスというのは、関閘と桟橋を結ぶバスというよりは、セナド広場や葡京娯楽場といった中心部と、関閘や桟橋を結ぶ、といった性質のものらしい。
それで、関閘と桟橋からかなり遠回りをするわけである。
結局、3番のバスが到着したのは18:45の空港行きフェリーの出る8分前になってしまった。
これは確実に出境手続きには間に合わないだろう。
それでもダメ元で切符を買ってみると「もう終わったよ」という。
仕方なし、20時の中環行きを買うしかなかった。
もっとも、今晩の羽田便は23:50発なので時間的には余裕があるのだ。
しかし、香港空港に直接行けるわけではないので遠回りになってしまう。
(決死モデル:チームTエリー)
結局、中環の澳門桟橋というのはMTRで言えば中環というよりは上環であり、バスも走っていないのでかなり歩かされることになった。
香港旅行というのはとかく歩かされる。さぞや運動にはなるだろう。
それでもどうにか機場快線に乗ることができた。
これですべての旅程は終わりである。
結構いろいろな写真を撮ることができた。
香港空港の出境審査を終わってエアサイドに出ると、世界のハイブランドというハイブランドが軒を連ねている。
まさにこれぞ香港という風景である。
ところで、あまりにあるかされた疲れからかタイカレーをガッツリ食うことにした。
香港に来てからというもの、香港らしいグルメを一切食べていない。
いや、香港粥は食べたので「一切」ではないか。
ともかくも空港内軽便鉄度に乗って217番ゲートへ行き羽田行きの香港エクスプレスに乗り込む。
(決死モデル:チームR小沢)
このまま会社に出るわけだが、まだ早い時間なのでブログに載せる写真の下ごしらえをすることにする。
(決死モデル:トルソーさんのラ・バルバ・デ)
今回はダークツーリズムも絡むので、やたら長文のエントリになるぞ・・・