【義手と義足の昭和史】科学の手足で返り咲き 〜昭和16年の「日本スゴイ」(S16.4.5)

「ぜいたくは敵だ」は昭和12年9月の国民精神総動員以降のこと。

それから3年半が経ち、その精神も日本人に浸透しつつあった。
それでなくともお上に忖度し、「日本スゴイ」と自画自賛してみせるのは昭和も令和も同じこと。

そんな昭和16年4月5日の朝日新聞より。

左上には「マネキン人形の髪にも簡素美」と題した記事がある。
「贅沢禁止令」の波は百貨店のマネキンも例外ではない。
「新体制」に向けて「碧眼娘は髪を抜き眼玉を抉ってあっぱれ大和撫子へと人為的飛躍を遂げる、それでも追いつかんのは五肢をバラバラにして頽廃から健康へ・・・」
まあ美辞麗句のオンパレードであることよ。

皆さんいいですか、為政者はこうして美辞麗句で庶民を騙していくわけです。
令和になっても何ら変わりません。

・・・という記事はともかくとして。

真ん中右あたりに「科学の手足で返り咲き」という小さな写真付き記事がある。

何でも、
「世界一流を誇る日本の義肢科学は優秀な『作業義肢』を次々と完成」… 云々
その割にはどのように凄いのかがこの記事からはまるで見えて来ない。

昨今の「日本スゴイ」は今に始まったことではないということが分かろうというもの。

世界から孤立を深め、太平洋戦争に突入する半年前の記事。

 

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