まあ、自分も若い頃はナマモノ志向だったので・・・
(※ 「ナマモノ」とは、同人誌用語的な意味での用法)
ネットの色んな所で女の子探してたんですよね。
そしたら、「事故で両手両足を切断した」という女の子がいたんです。
自分も、疑う事を知らなかったので一も二もなく飛びついたんです。
何というか、文章からも「男性が思い描いているような清楚な女の子」感が伝わってくるんですよね。
今だったら、「あまりに男が思い描いてるような女の子」という所で何か引っかかるんでしょうけど、当時は純粋だったのでね・・・
曰く、
友達が、海に行こうって言うんです。
水着は、エスニック柄のがいいか、ハワイ風のがいいか悩んでるの!
で、海に行くと、
二人組の男性が「波打ち際を一緒に歩きませんか」って誘ってて、
「私は、足が無いから歩けないんです」ってお断りしてたんですけど、
「アイスを食べませんか」って言ってアイスクリームを差し出したんですけど、
「私、手も...」
あああ~~~キュンキュンするんじゃーーーーーー!!!!
何かおかしいと思ったのは、当時自分が入り浸っていたdevotee系の掲示板に、
四肢切断の女の子なら、受付嬢ぐらいならできそうですね。
ビル内の知識と、爽やかな笑顔さえあればだれにでもできます。
という書き込みがあって程なくして、そのネカマちゃんが、
御報告があるんです。
私、お仕事はじめたの!
父の知り合いの会社の社長さんが、「ビルの受付ならできるんじゃないか」って...
これは・・・?
また、こんなこともあった。
こちらが、
リハビリしてる写真もほしいな。
と言うと、
とってもとっても、恥ずかしいんですけど...
と言って添付してきたのは、見たことのある絵柄の絵じゃねか!!!!
(ちなみに、その絵はネット上に現存します)
これは。。。
もうネカマと分かった上で、どこまで女の子っぽくキャラを作れるものか、見届けてやろうという気になった。
結局、2年近く経って「パソコンを持っている叔父が転勤するので、メールできなくなったんです」ということで終わってしまったのだが、それでも騙された悔しさなんてなかった。
「彼女」は「彼女」で、本気でその両手足切断の女の子を演じようとしていた。
「彼女」なりに、devoteeというものに真剣に向き合っていると感じたからだ。
もし実在すればだが、「彼女」以上の女の子はきっといないだろう。
・・・と、当時は、プライバシーだのそんなのも緩い時代で、家を突き止めようと思えば突き止めることだって割と容易にできるという、考えてみれば恐ろしい時代だった。
後年(というか割と最近)、旅行のついでに「彼女」の家の近くまで行ってみることにした。
きっと「彼女」は、車椅子や歩行器でこの道を歩いた(ことになっていた)のだろう。
2011年に新宿で「切断女の夜」があった時、そのネカマちゃんの中の人も来ていたのだ!
3次会で夜通し飲んだ時に一緒になったが「その節はどうも」とも「あんたが例のネカマか!」という事もなく、ただ飲んで話しただけだった。
当時の時点で定年退職間近いオッサンで、娘はすでに結婚していて孫までいるのだという。
これだけのオッサンがよくもあれだけの女の子のキャラづくりを・・・ とも思ったが、娘を持つ父は意外に若者の情報に敏感なものである。
今でもTwitterをやっており、フォローしようと思えばできなくもないのだが、何か気が引けてできない状態である。
「思い出は思い出のまま、大切にとっておきたい」っていうんでしょうかね。。。?
だって、切断の若い女の子に絡んでは邪険にされ続ける「彼女」を見ていたら、何か悲しいじゃないですか。。。