「アクロトモフィリア」と「アポテムノフィリア」の違い

性的倒錯(パラフィリア)の一種としての欠損マニア

幼児性愛を「ペドフィリア」、死体性愛を「ネクロフィリア」というのと同様、こっち系のフェチにも、「アクロトモフィリア(Acrotomophilia)」と、「アポテムノフィリア(Apotemnophilia)」という用語が当てられているようである。
ツイッターなどでは混同されている場合もあるようなので、この際差異をはっきりさせておきたいと思う。

アクロトモフィリアとは?

それでは、英語版Wikipediaの「Acrotomophilia」の項から・・・
赤字は引用者による)

Acrotomophilia (from the Greek ákron [extremity], tómos [a cut] and philía [love]), refers to a paraphilia [also known as K. Parker Syndrome] in which an individual expresses strong sexual interest in amputees. It is a counterpart to apotemnophilia, the sexual interest in being an amputee.
アクロトモフィリア(ギリシャ語:ákron(端)、tómos(切る)、philía(愛))とは、切断障害者に強い性的興味を示す性的倒錯である。これは切断している様子に性的興味を示す「アポテムノフィリア」と対をなす用語である。

・・・という風に訳してみましたが、いかがでしょうか。

では、アポテムノフィリアとは?

やはり英語版Wikipedia「Apotemnophilia」より・・・

Apotemnophilia is a neurological disorder characterized by the intense and long-standing desire for amputation of a specific limb, or a need to become paralyzed, blind or deaf.[1] Another more recent term for it is body integrity identity disorder (BIID) in which otherwise sane and rational individuals express a strong and specific desire for the amputation of a healthy limb or limbs. Apotemnophilia has features in common with somatoparaphrenia.[2] Some apotemnophiles seek surgeons to perform an amputation or purposefully injure a limb in order to force emergency medical amputation.[3][4]
アポテムノフィリアとは、特定の肢体を切断、あるいは麻痺、失明、失聴することを強く願うという神経学的障害である。このような、健康な四肢を切断したがる状態への用語として、「身体同一性障害」(BIID)という言葉も充てられている。
アポテムノフィリアは、「ソマトパラフェニア」と同じ特徴を持っている。
一部のアポテムノフィリアは、手足を切断してくれる外科医を探したり、わざと四肢を傷つけて切断してくれるように救急医に持って行ったりする。
A separate definition of apotemnophilia is erotic interest in being or looking like an amputee.[5][6] This separate definition should not be confused with acrotomophilia, which is the erotic interest in people who are amputees.[7] Apotemnophilia was first described in a 1977 article by psychologists Gregg Furth and John Money: “Apotemnophilia: two cases of self-demand amputation as paraphilia.” More recently (2008), V.S. Ramachandran, David Brang and Paul D. McGeoch have proposed that it is a neurological disorder caused by an incomplete body image map in the right parietal lobe.[8]
アポテムノフィリアの別の定義として、「切断している最中の状態に性的な関心を示す」というものがある。この別の定義は、切断障害者への性的興味である「アクロトモフィリア」と混同されるべきではない。
アポテムノフィリアとは、1977年に精神科医グレッグ・フュルトとジョン・マネーの「自ら切断を希望する性的倒錯としての2つの症例」という論文によって初めて記述された。その後、2008年にV.S.ラマチャンドラン、デービッド・ブラング、ポール・マクゴーシュにより右頭頂葉の不完全体画像マップによって引き起こされる神経学的障害であると提唱している。

あれ? そうだったの?

自分の不完全なイメージでは、

  • アクロトモフィリア ・・・ 非グロ欠損
  • アポテムノフィリア ・・・ グロ・切断

というものだった。

(右図は、2014年の夏コミに出展された欠損合同誌「アクロトモフィリア」で説明の際に主催者姫宮怜理さんが説明用に書かれた絵を、許可を得た上で加工)

間違っているわけではないようだが、「アポテムノフィリア」とは、用語集で言うところの「wanabee」に近い意味合いがそもそもの原義であるようである。

余談

田園都市線青葉台駅前の「フィリアホール」にて。
TRS48チームR持田